先日、日本のクイズ番組を見ていて、ふと気になったことがありました。それは「道」を英語で何と言うかです。
以下の写真のような、公園の中にある、人が歩いたり自転車で通ったりする「道」って、あなたなら英語で何と表現しますか?
今回は、そんな「道」の英語のお話です。”street” と “road” の違いや「車道・歩道」の英語表現もあわせて紹介します!
“street” とはどんな「道」?
冒頭に出てきたクイズ番組では、上の写真のような道を「ストリート」と呼ぶのが正解となっていました。
でも、私はすごく違和感があったんです。おそらく、英語でこれを “street” と呼ぶことはほとんどないと思います。
英語の “street” とは、こんな意味です↓
a road in a city or town that has buildings that are usually close together along one or both sides
(Cambridge Dictionary)
そうなんです。”street” とは町の中にあって、家や店などの建物が並んでいる「道」のことを指します。
英単語のイメージが分かりにくい時は、Googleで画像検索をすると分かりやすいのですが、”street” とはこんな感じです↓
道の両側には建物が並んでいますよね。そして、人々が行き交う「通り」というイメージで、車が通る道の脇には歩道のスペースがあったりすることも多いです。
公的な道の名付けの定義は別として、”street” とはこんな「道」のことを言います。
なので、冒頭に出てきた公園の中の「道」は “street” とはちょっと違うんです。
“path” が表す「道」
では、公園の中のこんな「道」は英語でどんなふうに言うのでしょうか?
言い方はいくつかあるかもしれませんが、私がパッと思いついたのは “path” でした。”path” とは、
a way or track that is built or is made by the action of people walking
(オックスフォード現代英英辞典)
という意味で、日本語では「小道」や「細い道」「散歩道」のように訳されます。
「人々が通ったり歩いたりする細い道」というイメージで、Googleの画像検索ではこんな感じです↓
どこかを抜けていくような、ある場所から別の場所へとつながる細い道のことですね。そして、さらに “path park” で画像検索すると、こんな写真がたくさん出てきます↓
上に出てきた、公園の中にある「道」は “path” がしっくり来ますよね。
“path” は公園内の道だけではなく、歩いて通る細い抜け道なんかにもよく使う「小道」を表す単語です。
“road” が表す「道」とは?
「道」といえば、”road” も一般的によく使われる単語ですよね。
ある場所と別の場所をつなぐ、物理的な「道、道路」を表すのが “road” です。英英辞書で定義を見てみると、
a specially prepared hard surface for cars, buses, bicycles etc to travel on
(ロングマン現代英英辞典)
となっていて、主に「舗装された、車両が走る道」を表します。
これもGoogleの画像検索を見てみると、こんな感じです↓
“road” の脇にも建物があることもありますが、”street” と何が違うのかと言うと、”road” は「車両の交通のための道路」というニュアンスなのに対し、”street” は街にある「人々が集ったり、行き交う通り」のイメージです。
“road” は物理的な「車両が走る道路」を表すので、「車道」もそのまま “road” で表すことが多く、「道路工事」も “roadworks” と言ったり、道路が通行止めの場合にも “ROAD CLOSED” と書かれた看板が立てられます↓
“street” も “close” されることがありますが、これはやはり街中で両側に建物が並んでいる「通り」の閉鎖というイメージです。本来なら車が通れる通りを車両通行止めにして、イベントやフェスティバルを開催するときなどには、
- The street will be closed to through traffic from 7am until 6pm on Sunday.
のように使われます。
「歩道」を英語で言うと?
「車道」の話が出たところで、最後に「歩道」の英語も見ておきましょう。
「歩道」はイギリス英語とアメリカ英語では違う単語で表されることが多いです。
イギリス英語 → pavement
アメリカ英語 → sidewalk
ニュージーランドの英語はイギリス英語の影響を強く受けているのですが、「歩道」に関しては、
footpath
という単語を使います。オーストラリアも同じく “footpath” を使うそうですよ。
イギリス英語の “footpath” はちょっと違った意味で使われていて、田舎にある舗装されていない「小道」という意味になります。”path” のイメージと同じで、人が通ることでできた道というニュアンスですね。
■道の名前になっている “Street/Road/Avenue” の違いは、姉妹サイトのこちらで紹介しています↓
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