英語を教える、自転車の乗り方を教える、トイレの場所を教えてください、いつが都合いいか教えてね、この使い方教えて、道を教えて…などなど、いろんな「教える」「教えて」がありますよね。
英語にもいろんな表現がありますが、その中でもよく出てくる teach・tell・show は使い分けできていますか?他にも “let me know” で表す「教えてね」もありましたね。
今回はこれらの使い分けをおさらいしてみたいと思います!
“teach” で表す「教える」
「教える」の英語は?と言われたら真っ先に “teach” を挙げる人が多いのではないでしょうか。それぐらい「teach=教える」はよく知られてますよね。
でも “teach” は全ての「教える」に使えるわけではありません、その理由は定義を見てみると一目瞭然です。
to give someone knowledge or to train someone; to instruct:
Cambridge Dictionary
誰かに知識を与える、誰かを訓練(教育)することですね。なので、”teach” は「学問・専門知識・技術を教える」という意味の単語です。
先生が生徒に教えるといった「教える人(teach する人)」と「学ぶ人(learn する人)」がいるシチュエーションを想像するとわかりやすいかもしれません。
例えば、英語を「教える」や楽器の弾き方、自転車の乗り方を「教える」なんかは、
- I teach English at a Japanese high school.
私は日本の高校で英語を教えています - Can you teach me how to play the guitar?
ギターの弾き方を教えてくれますか? - My dad taught me to ride a bike.
父が自転車の乗り方を教えてくれました
のように “teach” で表します。
“tell” で表す「教える」
“tell” が表す「教える」は、
to say something to someone, often giving them information or instructions
Cambridge Dictionary
誰かに何かを「言う→伝える」ですね。なので、口頭で(もしくは書いて)「情報を伝える」という意味の「教える」を表すときに広く使われます。
- Tell me about yourself.
あなたについて教えてください(自己紹介してください) - Never tell anyone your password.
パスワードは誰にも教えてはいけません - Can you tell me where the restroom is?
トイレの場所を教えてもらえますか?
教える人と学ぶ人という “teach” の構図とは全く違いますよね。自己紹介やパスワード・トイレの場所を「教える」は単なる情報の伝達です。知識を授けるわけではないので “teach” ではなく “tell” で表します。
“let me know” で表す「教えて」
以前に別のコラムで紹介した「教えて」を表すフレーズに、
let me know
があります。これも “tell” と同じで、情報を「伝える→知らせて」という意味ですが「あとで知らせてね、分かったら知らせてね、もし何かあれば知らせてね」というニュアンスで使われることが多いです。
- Please let me know if you have any questions.
ご質問等ございましたらお知らせください - Let me know when works best for you.
いつが一番都合がいいか教えてね
“show” で表す「教える」
「show=見せる」で暗記していると「教える→show」はなかなか思い浮かびにくいと思いますが、この “show” は意外とよく出てきます。意味は、
to teach or demonstrate the way to do something, for example by letting somebody watch you do it or by explaining it
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
なので、”teach” の要素を含んでいるものの「実際にやって見せて教える」を表すときに使います。他には何かを見せながら言葉で説明する場合も “show” が使えます。
特によく使われるのは何かの使い方・やり方を教えるシチュエーションです。
- Can you show me how to use this?
これの使い方教えてくれる? - Mum, I can’t tie my laces. −Do you want me to show you how to do it?
「ママ、靴ひもが結べないよ」「やり方を(見せて)教えてあげようか?」 - How did you do that? −I’ll show you.
「どうやってやったの?」「教えてあげるよ」
“I’ll show you” は他にも、知っていると道案内をする時にも役に立ちます。
例えば、道に迷ってそうな人から「○○はどこですか?」と聞かれたとしましょう。あなたは「もしよければそこまで連れて行ってあげますよ(案内しますよ)」と言いたいとしたら、”I can take you there if you like.” とも言えるし、
- I’ll show you if you like.
- I can show you if you like.
もナチュラルな言い方です。実際に「見せて教える」のニュアンスが感じられますよね。
“Can you tell me 〜?” と “Can you show me 〜?” の違い
では最後に、以下の2つの文は意味にどんな違いがあると思いますか?
- Excuse me. Could you tell me how to get to ○○?
- Excuse me. Could you show me how to get to ○○?
“tell” と “show” の違いですね。1は「○○への行き方を教えてください」と、口頭で行き方を説明してもらいたい「教えてください」です。まっすぐ行って、一個目の信号を右に曲がって…みたいな感じですね。
それに対して2は「○○へ連れて行ってください(案内してください)」の意味で受け取られる可能性が高いです。もしくは地図を見せながら言われた場合は「地図で指し示して教えて」の意味にもなります。
“tell” と “show” の違いの例をもう一つ。スーパーで店員さんに以下のように言ったら、どうなるでしょうか?
- Can you tell me where I can find canned tuna?
- Can you show me where I can find canned tuna?
ツナ缶の売り場を教えて欲しいのはどちらも同じです。1のように “tell me…” と言われたら、店員さんは “They’re on Aisle 10.(10番通路にありますよ)” みたいに売り場の通路に振り当てられた番号で教えてくれる可能性が高いです。
それに対して2の “show me…” と言われたら、店員さんは「売り場に案内してください」と理解する可能性が高いので、親切な店員さんだと連れて行ってくれます。ただし、店が広いと売り場まで案内するのが面倒なので、番号で言われる可能性も十分にあると思います(笑)
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