“courgette”、”aubergine” こんな単語をご存じでしょうか?
私自身、日本に住んでいた時は見たことも聞いたこともなく、ニュージーランドで暮らすようになって初めて知った、ある「野菜」を表す単語です。
今の季節、日本のスーパーでも目にする “courgette” と “aubergine” の意味を紹介します!
“courgette” の意味と発音
まずは “courgette” からいってみましょう。
発音は /kɔːˈʒet/ で、敢えてカタカナで書くとしたら「コージェッt」みたいな読み方です。
ヒントは、見た目が少しきゅうりに似ている夏野菜です。と言えば、もうアレしかないですよね。
正解は…「ズッキーニ」です!
「ズッキーニ」のことを英語で “courgette” と言うんですね。
ただ、”zucchini” とも言います。”courgette” と “zucchini” の違いは、イギリス英語かアメリカ英語かの違いです。
courgette イギリス英語
zucchini アメリカ英語
ニュージーランド英語はイギリス英語寄りなのですが、これに関してはどちらも使われているように思います。お隣の国オーストラリアはイギリス英語圏ですが “zucchini” です。
また、”courgette” はフランス語の「ズッキーニ」で、”zucchini” はイタリア語の “zucca(かぼちゃ)” から来ています。見た目はきゅうりに似ていますが、ウリ科かぼちゃ属なので、かぼちゃの仲間なんですね。
“aubergine” の意味と発音
次は “aubergine” です。
これも読み方から先に見てみると、/ˈəʊ.bə.ʒiːn/ なので「オウバジーン」みたいな発音です。
これは何かと言うと…、
「なす」です!
「なす」と言えば、もっと他にメジャーな英単語がありましたよね。”eggplant” です。
“aubergine” と “eggplant” の違いもこれまた、イギリス英語・アメリカ英語の違いです。
aubergine イギリス英語
eggplant アメリカ英語
ニュージーランドでは “aubergine” も通じるものの、”eggplant” の方がよく使われているように思います。オーストラリアも “eggplant” 派だったはずです。
ニュージーランドやオーストラリアの英語はイギリス英語の影響を強く受けていますが、こんなふうにたまに「この場合はアメリカ英語と同じ」みたいなこともあってややこしいです。でも、そこが面白いところでもあります。
また、人によっても言葉のチョイスが若干違うので、同じ国でも人によって違ったり、地域によって違ったりもしますよ。
映画にもなった「ラタトゥイユ」を英語で言うと?
ズッキーニとなすが美味しい季節になると、私が作りたくなるのが「ラタトゥイユ」です。パプリカ・トマトといった夏野菜盛りだくさんで作れるので、夏には何度も作って食べたくなります。
そんな「ラタトゥイユ」は南フランスの料理ですが、フランス語も英語もスペリングは同じ、
ratatouille
です。英語で発音すると /ˌræt.əˈtuː.i/ で「ラタトゥーイ」みたいな感じです。「ラタトゥイユ」はフランス語読みのようです。
そんな “ratatouille” はピクサー映画のタイトルにもなっているって知っていましたか?
日本語タイトルは『レミーのおいしいレストラン』です。レミーという名前のネズミ(rat)が、一流レストランのシェフになるという夢を叶えるお話ですね。この英語タイトルが『RATATOUILLE』です。
英語版のタイトルは下の写真のように「RATATOUILLE(rat・a・too・ee)」と書かれています↓
こんなふうに英単語の読み方を(カッコ)で表すことがありますが、この場合は読み方を示しているだけでなく、”rat” の部分がネズミの “rat” とかかっているのがポイントですよ。
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