「-free」と「free 〜」。“free” の位置で変わる意味

突然ですが、問題です。

SMOKE FREE(スモークフリー)」と書かれた部屋があったら、これは「喫煙室」か「禁煙室」のどちらでしょうか?

ここでは “free” の意味がポイントになってきますよね。

“free” はとてもよく知られた単語ですが、実は “free ○○” と “○○-free”、つまり “free” が入る位置によって意味が変わってしまうんです。

今回は、そんな勘違いしやすい “free” の意味と使い方を取り上げます!

目次

「フリー○○(free 〜)」の意味とは?

まずは「フリー○○(free 〜)」から見てみましょう。

日本語でもカタカナで書いた「フリー○○」ってよく見かけますよね。例えば「フリーマガジン」「フリーペーパー」「フリーダイヤル」「フリーソフト」「フリーダウンロード」「フリードリンク」などがあります。これらは、

無料の〜

という意味ですよね。“Free” や「フリー」と書かれていたら「無料」だと受け止める人が多いと思います。

これは英語でも同じで、“free 〜” は「無料の〜」という意味になります。

  • Free Wi-fi:無料のWi-fi
  • Free admission:入場無料
  • Free shipping:配送料無料(送料無料)

といった感じです。

先日、私が好きなファッションのお店から受け取ったメルマガに「店内全品送料無料 SHIPPING FREE」と書かれていたのが目に留まったのですが「送料無料」は “free(無料の)shipping(送料)” なので「FREE SHIPPING」が正解ですね。

「○○フリー(〜 free)」の意味とは?

では、次は「○○フリー(○○ free)」です。「フリー」が後ろにくるパターンですね。

カタカナで「○○フリー」と言えば、何を思い浮かべますか?

  • バリアフリー
  • デューティーフリー
  • ストレスフリー
  • アルコールフリー
  • グルテンフリー
  • カフェインフリー

などいろいろありますが、これらは、

〜がない

という意味になります。

「バリアフリー」は「barrier(障壁)がない」、「デューティーフリー」は「duty(関税)がない」、「ストレスフリー」は「ストレスがない」、「アルコール/グルテン/カフェインフリー」は「アルコール/グルテン/カフェインが入っていない」という意味です。

では、英語の “〜 free” にはどんなものがあるか挙げてみると、

  • gluten-free
  • dairy-free
  • sugar-free
  • fat-free
  • GMO-free
  • tax-free
  • duty-free
  • stress-free
  • alcohol-free

などがあります。この “free” は “free of/from 〜(〜のない)” という意味の “free” なんです。

■海外のレストランのメニューでよく見かける “GF” や “DF”、“NF” という略語のFがこの “free” です。詳しくはこちらで↓

ただ、ちょっと注意したいのは英語の “alcohol-free” や “liquor-free” は「アルコールが入っていない」ではなく、こんな意味で使われることもあります↓

©日刊英語ライフ

看板の絵から何となく想像がつくと思いますが、「アルコールが許されていない」という意味の「アルコールがない」なんです。

ニュージーランドでは道路にこの看板がある場所での飲酒はもちろん、栓の開いたお酒を持っているだけでも処罰の対象になるのでご注意ください。

また、“alcohol-free” は化粧水やマウスウォッシュなどの製品が「アルコールを含んでいない」という意味でも使われる表現です。

「アルコールが入っていない(ノンアルの)飲み物」は英語では “non-alcoholic (drinks)” と言うことが多いかなと思います。“non-alcoholic beer/wine” みたいな感じですね。「ノンアルコールのカクテル」は “mocktail” と言いますよ。

「free ○○」と「○○-free」の違い

「free ○○」と「○○-free」の違いをまとめてみると、

free ○○:無料の○○
○○-free:○○がない

です。
では、ここで冒頭の問題に戻りましょう。「SMOKE FREE」の部屋とは一体、どんな部屋でしょうか?

もう簡単ですね。これは「煙がない=禁煙室」が正解です。
ついつい「ご自由にどうぞ」的な雰囲気でタバコを吸ってしまいそうですが、後ろに “-free” がついているので「禁煙室」です!

日本でもあらゆるところで禁煙化が進んできていますが、ニュージーランドでは屋内での喫煙が法律で禁止されているので、レストランやカフェでも建物内では絶対にタバコを吸ってはいけません。もちろんオフィス内も全面禁煙です。私はタバコの煙がすごく苦手なので、個人的にはそれがニュージーランドの好きなところの1つです。

©︎日刊英語ライフ

「子どもの宿泊費/食事代無料」を英語で言うと?

日本でも最近ではインバウンドのお客さんが多いせいか、ホテルなどの宿泊施設のウェブサイトに「KIDS FREE」と書かれた宿をちょくちょく見かけます。

よく見てみると「子どもは無料」という意図なのが分かりますが、英語では「KIDS FREE」は「子どもお断り」の意味だと捉えられてしまう可能性があります。

その理由はこうです。「○○フリー → ○○がない」でしたよね。なので「キッズフリー→子どもがない(子どもなしの、子どもお断り)」という「大人限定」の意味で捉えられてしまう可能性があるんです。

では「子どもは宿泊費無料」を英語で表したい場合はどうしたらいいのかと言うと、それは、

Kids stay free

です。直訳すると「子どもは無料で宿泊する」ですね。

同じように「子どもは食事代無料」なら “Kids eat free“、「子どもは乗車無料」なら “Kids ride free” のように言いますよ。

“free 〜” は「自由な〜」の意味もある

日本語には「自由な〜」という意味で使われる「フリー○○」もありますよね。

  • (電車などの)フリーパス → 定額で乗り放題の切符
  • フリータイム → 自由時間
  • フリートーク → (台本なしの)自由形式のトーク

みたいな感じです。

  • フリーのアナウンサー → フリーランスのアナウンサー

のように略すこともあります。「フリーランス」とは英語の “freelance” で「lanceがfree」 という意味です。

“lance” とは「槍」という意味で、中世ヨーロッパで傭兵団に属さず(特定の主君を持たず)に個人の自由契約で闘っていた兵士のことを “free lance” と呼んでいたのが派生して、現在の「フリーランス」の意味になったそうです。

「フリーマーケット」は “free” とは関係ない

最後にちょっと豆知識を。

ご存じの方も多いかもしれませんが「フリーマーケット(フリマ)」は “free market” ではなく “flea market(蚤の市)” なので、今回の “free” とは関係ありません。“free” も “flea(ノミ・蚤)” もカタカナで書くと「フリー」なのでややこしいですね。

■トレンドの “Free-From Food” とは?

■“free” は「(予定が)空いている」「暇な」という意味でも使われる単語です。こちらのコラムで詳しく紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください!↓


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