インフルエンザの予防接種の季節ですね。今年はちょっと早めに流行り出したので、早めに済ませた方もいらっしゃるかもしれません。
また、ここ最近ニュージーランドでは「麻疹(はしか)」の感染症例が十数件確認されていて、予防接種を受ける人がグンと増えているそうです。
そこで今回は「予防接種(ワクチン接種)」「予防接種をする(受ける)」を表す英語表現をまとめてみました。
あわせて「副反応」の英語表現と、赤ちゃんの定期予防接種の英語名も紹介します。
「予防接種、ワクチン接種」の英語いろいろ
「ワクチン接種」「予防接種」を表す際に使われる英単語は、実はたくさんあります。
- shot
- jab
- injection
- vaccine
- vaccination
- immunisation(アメリカ英語では immunization)
- vax
shot、jab、injection はどれも「注射(接種)」を意味する単語で、“shot” はアメリカ英語でよく使われ、“jab” はイギリス英語でよく使われるカジュアルな表現です。
そして、日本語で言う「ワクチン」が “vaccine” です。液体の薬自体を指すので、必ずしも「予防接種」という意味ではないですが、使い方によって「予防接種」を表すことができます(例文はのちほど)。
“vaccine” の発音は無理矢理カタカナで書くと「ヴァクスィーン」みたいな感じです。イギリス英語ではアクセントが最初の /ˈvæksiːn/、アメリカ英語では後ろにアクセントが来て /vækˈsiːn/ になります。
そして、“vaccination” が「予防接種」を意味し、これは後で出てきますが動詞の “vaccinate(〜にワクチンを打つ)” の名詞です。
また “immunisation” も “vaccination” と同じように使われますが、こちらは動詞の “immunise(予防接種をして免疫を与える)” から来ている名詞です。
■“vax” の意味と使い方は以下のコラムで詳しく紹介しています↓
「予防接種を受ける、予防接種をする」を英語で言うと?
● “shot”、“jab” を使って
“shot” や “jab” はカジュアルな口語でとてもよく使われるので、普段の会話に登場する機会が多い単語です。
インフルエンザの予防接種に限って言えば、カジュアルな日常会話では “flu shot” や “flu jab” で表すことがほとんどなような感じさえします(私個人の印象です)。
- I get a flu shot every year.
私は毎年インフルエンザの予防接種を受けます - I had my flu jab yesterday.
昨日インフルエンザの予防接種を受けました
● “vaccine” を使って
日本語ではかたい表現で「ワクチンを接種する」と言いますよね。こんなちょっとかたい表現のニュアンスがあるのが “vaccine” を使った表現です。
「(ワクチンを)接種する」はかたい表現だと “receive” という動詞が使われます。ただ、もっと簡単に “get” や “have” で表すことも多いかなと思います。
- Medical workers are the first in line to receive the vaccine.
医療従事者が最優先で予防接種を受けます - When should I get the flu vaccine?
インフルエンザの予防接種(ワクチン)はいつ受けたらいい? - I had my flu vaccine last week.
先週インフルエンザの予防接種(ワクチン)を受けました

● “vaccination”、“immunisation” を使って
- Many people received Covid vaccinations during the pandemic.
パンデミックの間、多くの人がコロナワクチンを接種しました - My son is up to date with his immunisations.
私の息子は予防接種スケジュール通りに受けています - At 2 months, your baby will have immunisations against Diphtheria/Tetanus/Pertussis/Polio/Hepatitis B/Haemophilus influenzae type b
生後2ヶ月でジフテリア/破傷風/百日咳/ポリオ/B型肝炎/Hibの予防接種を受けます
● “get vaccinated” で表す「予防接種を受ける」
「予防接種を受ける」を英語で言う場合、実は動詞の “vaccinate(〜に予防接種をする、ワクチンを打つ)” を使うこともとっても多いんです。
「vaccinate+人」で「(人)に予防接種をする、ワクチンを打つ」という意味なので、自分が「予防接種を受ける」場合には、“get vaccinated” のように受け身で表します。
- My grandpa got vaccinated against Covid.
祖父がコロナのワクチン・予防接種を受けました - Are you going to get vaccinated?
予防接種を受けるつもりですか? - You can choose whether to get vaccinated. It’s not mandatory.
予防接種を受けるか選べます。強制ではありません
そして「予防接種をすでに受けている」という状態を表す場合には “be vaccinated/immunised” となります。
- Have you been vaccinated against measles?
はしかワクチン・予防接種は受けましたか(すでに受けていますか)? - My child is fully immunised.
私の子は予防接種を全て受けています
● “get vaxxed” で表す「ワクチン接種をする」
“vax” とは “vaccine/vaccination/vaccinate” を短くした単語です。この “vax” を使うと、
- I got vaxxed.
ワクチンを打ちました - I’m fully vaxxed.
ワクチンを全部接種済みです
のように表せます。詳しくは以下のコラムを参考にしてください↓
■「ワクチン接種証明」の英語表現はこちらで紹介しています↓
「副反応」を英語で言うと?
ワクチンを打った後に起こり得る「副反応」を心配する声もよく聞かれますよね。そんな「副反応」は英語で、
side effect(s)
で表されることが多いです。他にも、
- adverse effect(s)
- adverse event(s)
なんかで表されることもあります。
まれに重篤なアレルギー反応「アナフィラキシー」を起こすこともあるようですが、これは英語で、
- anaphylaxis
- an anaphylactic reaction
と言います。ただ、“a severe allergic reaction” なんかも一般的によく使われますよ。「重度のアレルギー反応」と言うことですね。
“allergic” の発音は「アレルギー」ではなく/əˈlɜːdʒɪk/ で「アラージック」みたいな感じです。
“allergy” や “allergic” の発音はちょっとカタカナで表しにくいので、もしアレルギーをお持ちで海外に行かれる方はぜひご自身で確認してみてくださいね。
子どもの各予防接種の英語名
上の例文でも少し触れましたが、子どもに定期予防接種をする病気やウイルスの英語名を紹介しておきましょう。
- ヒブ(Hib):Haemophilus influenzae type B
- 肺炎球菌:Pneumococcal
- B型肝炎:Hepatitis B
- ロタウイルス :Rotavirus
- 4種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ):Diphtheria/Pertussis/Tetanus/Polio
- BCG(Bacillus Calmette-Guérin):BCG,「結核(Tuberculosis:TB)」から守るワクチン
- MR(麻しん風しん混合):Measles/Rubella
- おたふく風邪:Mumps
- 水ぼうそう:Chickenpox
- HPV(ヒトパピローマウイルス):Human Papillomavirus
ニュージーランドでは接種スケジュール(immunisation schedule)が日本と違ったり、4種混合ではなく6種混合だったり、ロタワクチンは必須だけどBCGは任意だったりして、ちょっとした違いはありますが、だいたい同じです。
私自身、ニュージーランドで子どもの予防接種スケジュールを見て「これは日本語では何の予防接種なんだろう?」と疑問に思ったので、必要な方はぜひ参考にしてみてくださいね。
また「接種履歴」は “immunisation records” と言います。何かの感染症が勃発し出すと、“Check your immunisation records” みたいな感じで使いますよ。
「ワクチン反対派」を英語で言うと?
感染症予防のためにワクチンを接種しない「ワクチン反対派の人」たちもいます。そんな人たちを表すときによく使われる単語が、
anti-vaxxer(s)
です。“anti-” がついているので「反○○」という意味ですね。“vax” は “vaccine/vaccination” を短縮したインフォーマルな表現で、それに “-er” がくっついた形です。
- Anti-vaxxers believe that vaccination is harmful.
反ワクチンの人たちはワクチン接種は有害だと信じている
“anti-vax” は「反ワクチンの」という意味の形容詞として、“anti-vax mum”、”anti-vax movement” のようにも使われます。
“anti-vax” も “anti-vaxxer” もインフォーマルな表現ですが、結構いろんなところで目にするので、覚えておくといいかもしれません。
■「はしか」「麻疹ワクチン」に関する英語表現はこちらで詳しく紹介しています↓














