以前、“Sorry” って言われたら何て返す?というコラムで “(I’m) sorry” への「返し方」を紹介しましたが、今回は “sorry” という単語自体にスポットを当ててみたいと思います。
誰でも知っている “sorry” ですが、ネイティブは巧みに “sorry” を使いこなします。
今回は、使えるとグッと表現力が高まる “sorry” の活用法のお話です。
「お気の毒に」の “sorry”
“sorry” の「ごめんなさい」以外の意味として「お気の毒に」が思い浮かんだ方もいると思います。
- I’m sorry to hear your mother is unwell.
お母さんの体調が悪いと聞いてお気の毒に思います - I’m so sorry to hear about your daughter.
娘さんのこと、お気の毒です
というような使い方をしますよね。会話の中で使われる、もうちょっと短い、
- I’m sorry to hear that.
それはお気の毒に
も、何か不幸な話などを聞いた時に返す、お決まりのフレーズです。
「かわいそう」って英語で何て言う?のコラムでも紹介しましたが、誰かに同情して「かわいそう」と言いたい場合には、
- I feel sorry for him/her.
かわいそうに…
と言うことができます。
また、誰か大切な人を亡くした人に対して「お気の毒に」という気持ちを表す、
- I’m so sorry for your loss.
お悔やみ申し上げます
にも “sorry” が登場します。
軽い「ごめんね」「失礼」を表す “sorry”
- Sorry about that.
というのを聞いたことがありますか?
学校で習った記憶は無い気がするのですが、実はこれが日常生活でとってもよく使われます。
例えば、カフェでレジの人がすぐに注文をとれない時などには “I’ll be with you in a minute” などと言って、今やっていることを終らせてから、”Sorry about that” と言いながら戻ってきて注文を聞いてくれたりします。
その他にも例を挙げていくとキリがないほど、ちょっとした「ごめんね」の意味で使われますが、謝罪の意味で自分が悪かったと謝る深刻な「ごめんなさい」には使われません。
その理由は、次に挙げる2つの文章に隠されています。
“sorry about” と “sorry for” の違い
ここに、こんな2つの文章があります。違いはなんだと思いますか?
例文A:I’m sorry about the mess in my room.
例文B:I’m sorry for what I said to you yesterday.
AとBの違いは何でしょうか。
2つの文章をよーく見比べて下さいね。
Aの文章には “sorry about“、Bの文章には “sorry for” が使われていますね。
その違いはこうです。
Aのシチュエーションは、誰かが自分の部屋に来て、部屋のちらかり具合を詫びています。
では、Bはどうでしょうか?昨日誰かに対してひどいことを言ったんでしょうね。その事を謝っています。
一見、AもBも何かを謝っている点では同じに見えますが、実は微妙にニュアンスが違うんです。
Aは「その状況」を詫びているのに対し、Bは「自分がした行為」を詫びています。これが “about” と “for” の違いとなって表れてくるんですね。
基本的に “for” を使うときは自分が悪い、と自分の非を認めるニュアンスで使われます。
それに対して “about” は自分がコントロールできない状況にも使われるので、”I’m sorry about the situation” は、謝っているように見えますが、実は自分の非だけではないというニュアンスを含んでいます。
“I’m sorry” 以外でも sorry を使ってみよう!
慣れるまでは、フレーズを丸暗記して「こんな時にはこう言う」という練習方法も効果的かと思います。
ネイティブは意外とこんな基本的な単語で会話しているので、”sorry” も単語自体のニュアンスを理解して自分で使えるようになると、表現の範囲も広がるはずです!
■”I’m sorry” と言われた時の返し方は、こちらで紹介しています↓