海外で生活をしたり、旅先で現地の人と仲良くなったりすると「ここ好き?」と聞かれることってありませんか?
日本でもそうだと思いますが、海外から来ている人とちょっと親しくなると、日本が好きかどうかや、日本の印象を聞いてみたくなりますよね。
私もニュージーランドで「ニュージーランドは好き?」「ここは好き?」のような質問を、これまでによくされました。
今回はそんな会話に出てくる、とっても間違えやすい「ここが好き」の英語表現のお話です。
意外と使う機会がある「ここが好き」
私は以前、ニュージーランド南島の山奥の秘境で住み込みで働いていました。
そこには温泉施設があって、周りは原生林に囲まれ、自然保護区に指定されたとっても素晴らしい環境でした。
でも、悪く言えば「何もない所」です。コンビニどころか、お店は一つもありません。携帯電話の電波もありません。秘境も秘境です。
温泉に併設のカフェで働いていると「どこ出身なの?」「ここでどれぐらい働いてるの?」など、お話好きでフレンドリーなニュージーランドの人たちは興味津々に聞いてきます。
そして、ほとんど全員が「ここが好き?」と聞いてきます。
何もない山奥の秘境で娯楽はゼロだったので、そう聞いてくるのも無理はありません。
「ここが好き?」って英語でなんて言う?
「ここが好き?」は、もちろん「その場所を気に入っているかどうか」を聞いてるわけです。
この質問、英語にしたらどうなるでしょうか?
“Do you like this place?” とも言えますが、「あなた=you」「好き=like」「ここ=here」なので、
- Do you like here?
でよさそうですよね。私もそう思っていたのですが、実は違ったんです。
「ここが好き?」は “Do you like here?” ではない
ネイティブは “Do you like here?” とは言いません。
こんな簡単な質問なのに、正しい文に気付くまで間違っいてた自分に衝撃でした。
では、正解は何なのでしょうか?みなさんも考えてみてくださいね。
正解は…
Do you like it here?
です。”like” の後に必ず “it” が入るんです。それは一体なぜなのでしょうか?
“Do you like it here?” の “it” は何なのか
「〜が好き」という意味の “like” は、何が好きなのかという目的語が必要ですよね。
- I like dogs.
- I like playing tennis.
- I like your jacket.
みたいな感じで、”like” の後ろには必ず目的語が来ます。
でも、”here” は “Come here.”、”I’m here.”、”I work here.” のように「ここへ・ここに・ここで」という意味の副詞なので、”like” の目的語にはなれません。そこで、”it” を便宜上入れるわけですね。
日本語では “it” は訳さないんだし、無くても大丈夫じゃない?と思ってしまいますが「この場所や環境が好き・気に入っている」という場合には目的語の “it” が無いとネイティブの耳には不自然に聞こえるようです。
“I love it here.”、”How do you like it here?” も覚えておきたい
同じように “love” を使う時も、
- I love it here!
ここが大好きです
となります。”hate” はとっても強い言葉なのであまり使いたくないですが、使う場合には、
- I hate it here.
ここが大嫌いだ
のように “it” が必要になります。日本人の感覚ではつい忘れてしまいそうな “it” ですが、意外に大事なので忘れないように気をつけてくださいね。
また、日本に来ている海外からの旅行者に「ここ(日本)はどうですか?」と聞きたい場合には、
- How do you like it here so far?
これまでのところ日本はどうですか?
と聞くこともできるし、海外で以前日本に住んでいたことがある人に出会った時には、
- How did you like it there?
そこ(日本)はどうだった?
と聞いてみてもいいですね。
日本人が間違えやすい英語表現
■日本人が間違えやすい、過去形の「〜できた」。実は “could” で表せない場合も多いんです↓
■”I know John.” のように、人を「知っている」を表す “know” は使い方に注意が必要です。
■「私も」と言いたい時に “Me too.” が使えないのはどんな時?
■「あなたはどう思う?」も日本語から英語に直訳してしまうと間違えやすいです↓
■「なんで分かったの?」「なぜそれを知ってるの?」に “why” は使えない?
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