ビジネスでメールや手紙を書く時に「◯◯様」と相手の名前を最初に書くことがありますよね。
これにあたる英語に “Dear 〜” というのがあるのは皆さんご存知だと思います。
では、”Dear” の後ろの部分ってどう書いていますか?
ビジネスでは特に気をつけたい部分なので、今回はちょっと間違えて使ってしまうことも多い “Dear” の使い方をおさらいしてみましょう!
“Dear” のニュアンスは?どんな時に使う?
メールの書き出しの “Dear 〜” や “To whom it may concern” のような部分は英語では “salutation” と呼ばれていて、これは「誰宛てか」を表す部分です。
“Dear” は「親愛なる」と訳してしまうと、友人や親しい人に対して使う雰囲気がしますが、実はビジネスでも、
- 面識のない相手
- フォーマルな文面
にとてもよく使われるんです。ビジネスレターはフォーマルなものが多いので、必ずと言っていいほど “Dear 〜” と書かれています。
それに対してメールは、それ自体が手紙よりもカジュアルなものなので、”Dear 〜” で始まるものはぐっと少なくなりますが、それでもビジネスでは相手に与える印象を考えて、面識のない人には “Dear 〜” で書き始めるのが好まれるようです。(インフォーマルなメールでは “Hi” が主流です)
そんな “Dear” で始まる書き出しにはちょっと面倒くさいルールがあるって知っていましたか?
名前にただ “Dear” をつければいいのではなく、おさえておきたい使い方が4つあるんです。
“Dear” の使い方1:最もフォーマルな書き方
まず、最もフォーマルな “Dear” の使い方から。Mike Watsonさんという男性に宛てる場合はこうです↓
Dear Mr Watson,
【Dear+タイトル+名字+コンマ】
丁寧にフルネームで書いてしまいそうになりますが、”Mr” や “Ms” などのタイトル(敬称)の後ろには名字(last name, family name, surname)のみを使います。最後のコンマも忘れずに。
ここでちょっと注意したいのは、タイトルのつけ方。
- 男性 → Mr/Mr.(ピリオドなしはイギリス英語)
- 女性 → Ms/Ms. もしくは Mrs/Mrs.、Miss ※使い分けはこちらをご覧ください
- 特定の敬称 → Dr/Dr.、Professor
相手がお医者さんや教授など、”Dr” や “Professor” の場合には必ずそのタイトルを使います。無視して “Mr” や “Ms” とするのは失礼と受け取られることもあるので注意しましょう。
■先生を呼ぶときにも敬称がとてもよく使われます↓
■子どもの敬称に関しては、こちらをご覧ください↓
“Dear” の使い方2:相手の性別が分からない場合
性別は名前でたいてい想像はできそうな気もしますが、分からない場合には想像でタイトルをつけるよりもつけない方が無難なこともあります。その場合は、
Dear Mike Watson,
【Dear+フルネーム+コンマ】
となります。フルネームで名前を書くのがポイントで、ここで “Dear Watson,” のように名字だけにしないようにしましょう。英語では名字を敬称なしで呼び捨てにすることはほとんどありません。
“Dear” の使い方3:少しカジュアルな書き方
“Dear” は面識のある相手に使うこともあります。その場合は、
Dear Mike,
【Dear+ファーストネーム+コンマ】
のようになります。”Hi” ほどカジュアルすぎないけど、フォーマルながらも親しみがある印象です。
日本人が間違えがちなのが、”Dear Mr Mike,” のようにファーストネームに “Mr” や “Ms” をつけてしまうこと。
とりあえずタイトルをつけておけば丁寧になるというものではないので【Dear+タイトル+ファーストネーム】にしないように気をつけたいですね。
“Dear” の使い方4:相手の名前がわからない場合
面識もなく、相手の名前もわからないけど担当の人(や部署)にメールを書く場合ってありますよね。
担当者の名前はできる限り前もって調べる、というのが大前提になりますが、どうしても分からない場合には、
■特定の人宛て
- 相手が男性とわかっている場合 → Dear Sir,
- 相手が女性とわかっている場合 → Dear Madam,
- 相手の名前も性別もわからない場合 → Dear Sir or Madam,
■特定の人宛て以外
- 担当の係宛ての場合 → Dear+役職名,
- お客さん(顧客)宛て → Dear valued customer,
- 部署宛ての場合 → Dear+部署名,
- 部署も特定しない場合 → To whom it may concern,
という書き方になります。”Dear Sir or Madam,” や “To whom it may concern,” は一見便利そうですが、誰宛てなのかわかりにくいので、できるだけ避けた方がいいと言われています。
フォーマル vs インフォーマル
友達や同僚に送るメールでは “Hi” で全く問題なかったり、社外の人でも “Hi” でメールを送ることは実際のところ、たくさんあります。
ニュージーランドは特にカジュアルな表現が多いのか、面識のない人から “Hi” でメールがくることもよくあります。
でも、いつでもインフォーマルな表現でいいかというと、そうではなく、ビシッと決めるべきところというのがあるんですね。
それがビジネスで初めてコンタクトを取る人だったり、仕事を探している人なら採用担当者に送るメールだったり、相手にいい印象を持ってもらいたい時ですね。
そんな場合にはちょっとフォーマルすぎるかな?と思うぐらい丁寧な方がいいかと思います。フォーマルからインフォーマルへ移行することはできますが、最初から馴れ馴れしい印象を与えてしまうと後で挽回するのは難しいですからね。
また、面識のない相手をいきなりファーストネームで呼ぶ、というのも危険です。
相手があなたをファーストネームで呼んできたら、あなたも相手をファーストネームで呼ぶようにすると無難ですよ。
■手紙やメールの結び、”Yours sincerely,” や “Kind regards,”、”Cheers” などの使い方はこちらも参考にしてみてくださいね↓
■メールの返信が遅くなってしまった時には、こちらのフレーズも役に立つはずです!↓