日本語には擬音語・擬声語がたくさんあります。
そして、日本語では「食感」を擬音語で表すことが多いですよね。
サクサク、カリカリ、もちもち、ふわふわなど日本語なら簡単に表現できる「食感」も、英語で表現するとなると急にハードルが上がります。
例えば「クリスピー(crispy)」は日本でもよく耳にしますが、どんな食感のことを言うのでしょうか?”crunchy” と似ている感じがしますが、どう違うのでしょうか?
今回は、この2つをはじめとしたいろんな「食感」や「食べ物の質感」の英語表現を紹介します。
「食感」って英語で何て言う?
具体的な食感を紹介する前に、まずは「食感」自体を英語でどう表すのか見てみましょう。
「食感」は英語で、
texture
と表されることが多いです。
「テクスチャー」は日本語にもなっていますが「質感」や、手で触った「触感」だけでなく、それが口になると「食感」になるんですね。「〜な食感」は “crispy/crunchy/silky/creamy/smooth texture” のように表します。
また、日本語で「食感が好き」「食感が嫌い」と言ったりもしますが、英語では、
- I like the texture.
食感が好き - I don’t like the texture.
食感が嫌い - It’s got an interesting texture.
食感が面白い
のように表せますよ。
では次に「サクサク」「ふわふわ」など、具体的な食感の英語表現を見ていきましょう。
“crispy” は「パリパリ」「サクサク」
日本でも「クリスピー」という名前がついたお菓子があるので、何となく分かっている方も多いと思います。
フライドチキン、ピザ生地などは「クリスピー」と表現されることがありますが、英語でも “crispy” や “crisp” は「サクサク」「パリパリ」した食感を表す時に使われます。
英英辞典には “crispy” の定義はこんなふうに書かれています↓
The Britannica Dictionary
- pleasantly thin, dry, and easily broken
- having a pleasantly crisp outer layer
「薄くて乾燥していて簡単に壊れやすい、そんな外側の層を持っている」ですね。”pleasantly” がポイントで、心地いい感じでというポジティブなニュアンスです。
なので、ポテトチップ、クラッカー、トースト、サクッと揚がった天ぷらや揚げ物の衣などの、比較的層が薄いものの食感を表す時に使われます。イギリス英語の影響が強いニュージーランドでは、ポテトチップスのことを “crisps” と呼びますよ。
ちなみに、”crisp” はパリッとしたリンゴや紙、そして寒さの種類を表す時にも使われます↓
“crunchy” は「カリカリ」「ゴリゴリ」「バリバリ」「ポリポリ」
次は “crunchy” です。どんなものが「クランチー」なのでしょうか?
一番想像しやすいのは、アイスクリームかもしれません。砕いたアーモンドがごろごろ入ったチョコでコーティングされたアイスクリームなどに、よく「クランチー」や「クランチ」という表現が使われていますよね。
ポリポリしている食感は “crispy” とちょっと似ている気もしますが、ちょっと違います。
“crispy” が薄いサクッとした、噛んだらすぐに崩れるものに使われるのに対して、”crunchy” はもっと「カリカリ」「ゴリゴリ」「ボリボリ」「バリバリ」という音が出る、歯ごたえのある、噛んだら大きな音がする食感を表します。
なので、よく “crunchy” で表現されるものと言えば、ナッツ類・グラノーラのようなシリアル・分厚くて噛むとゴリゴリ音がしそうなクッキー、さらに新鮮な野菜などが挙げられます。
「ふわふわ」「もちもち」は英語で何て言う?
「ふわふわ」も日本語ではよく使われますよね。
単に柔らかいものは “soft” と言ったりもしますが、ふんわりした食感のパンケーキや、ふわふわのメレンゲなど、空気を含んでふわっとした食感のものは英語で “fluffy” と表します。
“fluffy” という単語は、毛がふわふわのウサギや犬・ぬいぐるみ、ふかふかの枕などにも使われます。そんな「ふわっと」「ふかふか」としたイメージが “fluffy” です。
では「もちもちした」は英語で何て言うのでしょうか?
「餅」自体、もともと英語圏の国にはないものなので「もちもち」は実は英語にしにくい表現なのですが、”chewy” が近いかもしれません。
“chew” は「噛む」という意味なので、たくさん噛む必要のあるハイチュウのようなソフトキャンディや、弾力があってモチモチしたコシがある麺などにも “chewy” が使われることが多いです。
「とろーり」「ドロッとした」「ネバネバ」を英語で
次に「トロっとした」「ドロっとした」を見てみましょう。
卵の黄身が「トロっ」としているのは “runny” です。これは「固まっていない」というニュアンスの「とろっとした」を表します。
また、フォンダンショコラの中身が「トロっ」としているのは「(粘度の高い液体がゆっくり)流れ出る」という意味の “ooze” という動詞の形容詞 “oozy” などで表すこともあります(発音は /ˈuː.zi/)。
そして、もっと粘度の高いスライム状の「ベタっとした」「ドロッとした」「ねっとりした」柔らかいものには “gooey” という表現が使われます(発音は /ˈɡuː.i/)。
特に甘いものによく使われ、キャラメルソースのようなものやSnickersなんかも “gooey” で表されることがあります。他にも、お菓子などの生地がちょっと半生のベタッとしたものにも “gooey” がよく使われますよ。
「ネバネバ」も日本食にはよく登場しますよね。
これは皆さんご存じかもしれませんが、納豆やオクラの「ネバネバ」には “sticky” がよく使われます。
「くっつく」という意味の動詞 “stick” から来ていて、まとわりつくカンジの「ネバネバ」や「ベタベタ」は “sticky” と表されます。
■蒸し暑くて「ベタベタする」なんかも “sticky” で表しますよ↓
必ずしも絶対ではありません
今回紹介した食感を表す単語は、絶対にこれが正解、というものではありません。
人によって “gooey” 度が高いものを “sticky” と呼ぶかもしれませんし、場合によっては “chewy” を使うこともあるかもしれません。
それは日本語でも同じですよね。人によって使う形容詞に少し違いがあったり、感じ方が違ったりします。
なので、英語には食感・質感を表すこんな言い方があるんだな、というぐらいで参考にしていただけたらと思います。
■「かたい」食感については、こちらでも紹介しています↓
■お肉やイカなどが「ゴムみたい」という食感は英語で?
擬音語にまつわるコラム
日本語って擬音が物の名称になっていたりすることもありますよね。
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