今からちょうど5年前、ニュージーランドのクライストチャーチという街にある2つのモスクが銃撃され、50人が亡くなるという悲しい事件が起きました。
事件が起きた直後の臨時ニュースでは、テレビにこんなテロップが表示されていました↓
- FEARS SHOOTER STILL AT LARGE
今回は、特にニュースでよく使われるこの “at large” の意味を取り上げたいと思います。
“(be) at large” の意味とは
“large” の意味といえば「大きい」や「多い」ですよね。
- a large car:大きい車
- a large number of 〜:多数の〜
- a large amount of 〜:大量の〜
みたいな感じで使われます。そうすると、”(be) at large” も「大きい」「多い」に関連した意味を想像しがちです。
でも、そうではないんです。”(be) at large” とは、こんな意味なんです↓
(of a dangerous person or animal) not captured; free
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
「捕まらないで」「逃走中で」ということですね。
“at large” は「逃走中で」
“be at large” は犯罪者などの「人間」や、獰猛な「動物」などが野放しになって危険な状態なときにニュースでよく使われるフレーズです。
- A shooter is at large.
銃撃犯は逃走中です - The suspect is still at large.
容疑者は依然として逃走中です - Two Escaped Lions Still At Large
脱走した2頭のライオン、依然捕まらず
ここで冒頭のニュースで流れていたテロップに話を戻しましょう。
FEARS SHOOTER STILL AT LARGE
は、どんな意味になると思いますか?
“fears” は「懸念」、”shooter” は「銃撃者(犯)」なので「銃撃犯、依然として逃走中の懸念」ということになりますね。
この時点では1名が身柄を拘束されていたものの、他に犯人がいる可能性もあるという状況だったので、このような表現になったのだと思われます。
“in custody”、”be charged with” も覚えておきたい
事件発生後の1回目の会見で、警察は1名の身柄を拘束したことを発表しました。
「身柄を拘束する、される(拘留する、される)」もニュースではとてもよく出てくる表現で、これは、
(be) in custody:身柄を拘束されて
(be) taken in custody:身柄を拘束される
take 〜 into custody:〜の身柄を拘束する
のように、”in(to) custody” というフレーズで表します。例えば、
- Police have confirmed three people are in custody.
警察は3人の身柄を拘束中だと明らかにした - Two men are in custody after an attempted robbery at a service station.
ガソリンスタンドへの強盗未遂の後、現在男性2名が拘留されている
のような感じです。さらに、
be charged with 〜:〜の罪で告発される、起訴される
も報道でとてもよく使われるフレーズです。
- A 28-year-old man has been charged with murder and two others are in custody.
28歳の男が殺人罪で起訴され、その他2名が身柄を拘束されています
容疑者が “be at large”、”be in custody”、”be charged with 〜” はまとめて覚えておきたいですね。
モスクの銃撃事件から今日で丸5年。静かに祈りを捧げたいと思います。
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