スペリングが似ている単語って、発音の違いも分かりづらかったりしませんか?
今回はスペリングが似ている単語 “law” と “low”、そして “raw” と “row” の発音の違いをおさらいしてみたいと思います。
さらに “saw” と “sew” の発音の違いも紹介しますが、どれもカタカナ英語とスペリングに惑わされないことが大切です!
“law” と “low” の発音と違い
まずは “law” と “low” から見てみましょう。まずは意味を確認しておくと、
- law:法律
- low:低い
ですね。名詞と形容詞なので、そもそも品詞が違いますが、カタカナで「ロースクール」や「ローテーブル」といった言葉があるので、英語でもどちらも「ロー」と発音してしまいがちです。
発音記号を見てみると、
law /lɑː/(イギリス英語 /lɔː/)
low /loʊ/(イギリス英語 /ləʊ/)
です。厳密に言うとカタカナでは表せませんが、無理矢理書くとすると、アメリカ英語では「law→ラー」「low→ロウ」に近いです。イギリス英語では「law→ロー」「low→ロウ」に近いです。
ここでの最大にして唯一のポイントは、母音の違いです。
“law” は /lɑː/ もしくは /lɔː/なので、アメリカ英語でもイギリス英語でも、母音を伸ばします。途中で音は変わりません。
それに対して “low” の /loʊ/ や /ləʊ/は二重母音と言われるものなので、伸ばすのではなく「オウ」のように途中で音が変わります。
ネイティブにとってこれらの母音は全く違うものなので、イギリス英語で “low” のつもりで「ロー」と発音してしまうと、全然通じません。これは私の実体験で、ニュージーランドで暮らし始めたばかりの頃に “low” と伝えたくて「ロー、ロー」と言っても全く通じませんでした…。
“raw” と “row” の発音と違い
では次は、上に出てきた law/low の “l” が “r” に変わっただけの、
- raw:生の
- row:列、(ボート)を漕ぐ
の違いを見てみましょう。”raw fish(生魚)” や “in a row(連続して)” のように使う単語ですね。これも発音記号を確認してみると、
raw /rɑː/(イギリス英語 /rɔː/)
row /roʊ/(イギリス英語 /rəʊ/)
です。母音の部分に注目してみてください。先ほどと全く一緒ですよね。
なので、これも無理矢理カタカナで書くとすると、アメリカ英語では「raw→ラー」「row→ロウ」に近いです。イギリス英語では「raw→ロー」「row→ロウ」に近いです。
同じ音を伸ばす “aw” なのか、途中で「ウ」に変わる “ow” なのかをきちんと言い分けないと、正しく伝わりません。
日本人はRとLの区別に意識が行きがちですが、通じない原因が母音であることも実はとても多いんです。
“saw” と “so”、”sew” の発音の違い
では、最後に練習問題です!下の3つを正しく発音できますか?
- saw:see(見る)の過去形、のこぎり
- so:とても、すごく、だから他
- sew:縫う
“sew” は「ソーイング」の「ソー」の部分ですね。これらは日常生活でもよく出てくる単語なのに、正しく言い分けられている人って意外と少ないと思います。
会話の流れで相手が分かってくれることがほとんどなので、大きな問題ではないですが、曖昧な方はこれを機に覚えてしまいましょう!
それぞれの発音記号を見てみると、
saw /sɑː/(イギリス英語 /sɔː/)
so /soʊ/(イギリス英語 /səʊ/)
sew /soʊ/(イギリス英語 /səʊ/)
実は “so” と “sew” は発音が全く同じなんです。なので、アメリカ英語では「saw→サー」「so, sew→ソウ」に近くて、イギリス英語では「saw→ソー」「so, sew→ソウ」に近いです。
“so” は「ソー」と発音してしまいがちですが、二重母音の「ソウ」が正解なんですね。
ちなみに “sow” という単語も存在します!「種まきをする」「種をまく」という意味でガーデニング・農業系で使われる単語です。この “sow” の正しい発音はもう言うまでもないですよね。
“sow” と “so” と “sew” は全部同じ発音です。
発音にまつわる英語コラム
以下のコラムでも発音を取り上げています。ぜひ合わせてご覧ください。