皆さん『パウ・パトロール(PAW Patrol)』って知ってますか?
海外で人気の幼児向けのテレビアニメで、ザックリ言うと少年と子犬が8匹ほど出てくるお話です。
私はニュージーランドから日本に帰ってきて、マクドナルドのハッピーセットのおもちゃになっているのを見たり「パウ・パト」と略されているのを耳にしたりして、日本でも人気があることを知ったのですが、私が個人的に気になったのはその読み方です。
「パウ・パトロール」は日本でしか通じません。
今回は、自然な英語に近づく発音のお話です。
「PAW」の発音は「パウ」じゃない!
上のような犬のキャラクターを目にしたことはありますか?これが『パウ・パトロール』に出てくるキャラクターです。
そして、パッケージにも書いてあるように『パウ・パトロール』の英語のスペリングは、
『PAW PATROL』
です。「PAW=パウ」と読みたくなる気持ち、とってもよくわかります!でも「PAW」は英語の読み方ではないんです。正しくは、
/pɔː/ イギリス英語
/pɑː/ アメリカ英語
なので、あえてカタカナで書くとしたら「ポー」なんです(アメリカ英語ではもっと顎を落として「パー」に近い「ポー」になります)。
『PAW Patrol』は『ポー・パトロール』なんです。英語のオープニング曲を聞いて発音を確認してみましょう↓
“aw” の読み方は「アウ」ではない
『PAW Patrol』の読み方から学べるのは、
“aw” は英語では「アウ」ではなく「オー」と読む
ということです。改めて文字にすると、そうなの?と思うかもしれませんが、意識せずに自然にできている人がほとんどだと思うんです。
例えば、サメの映画『JAWS』は「ジョーズ」ですよね。「ジャウズ」ではありません。飲み物を飲む時に使う “straw” も皆さん「ストロー」って読みますよね。「ストラウ」と読む人はいないと思います。
他にも「(絵など)を描く」は英語で “draw” です。この “aw” も「オー」ですよね。「生の」を表す形容詞 “raw” も敢えてカタカナで書くと「ロー」です。 “raw fish” を「ラウフィッシュ」なんて言わないですよね。
でも、知らない単語に “aw” が入っていたら「アウ」と読んでしまいがちなんです。
ルール通りにもう一度『PAW Patrol』を読んでみると…『パウ・パトロール』ではなく『ポー・パトロール』ですよね。
“paw(ポー)” の意味とは
ところで『PAW Patrol』の「PAW」って何?と思った方もいるかもしれません。
これは「Pups At Work(pups:子犬たち、at work:仕事中)」の略という説もあるようですが、そもそもは英単語の “paw” から来ています。その “paw” の意味とは、
an animal’s foot that has nails or claws
ロングマン現代英英辞典
つまり、鉤爪がある動物の「足」という意味です。特に犬や猫の「足」によく使われる単語ですが、足全体ではなくて下の写真に写っている部分を “paw” と呼びます↓
ちなみに「肉球」だけを指すなら “pad(s)” と言いますが、”paw” も肉球マーク(🐾)を連想させます。
なので『PAW Patrol』のロゴの「A」の部分に肉球マークが入っていたり、キャラクターの帽子に肉球マークがついているんですね。
「tr」の発音も気をつけたい
「PAW」の発音は「ポー」だと分かりましたが、上の動画の歌を聞いて、何か気付いた人はいませんか?
「Patrol」の発音も「パトロール」とは聞こえないですよね。「PAW Patrol」はもはや「ポーパチョゥ」や「パーパチョゥ」にさえ聞こえます。
ここで言いたいのは “patrol” を「パチョゥ」と発音しましょうということではなくて、
“tr” の正しい発音を意識すると、自然な英語に近づく
ということです。日本人は “t” の後ろに母音を入れて「ト」と発音してしまいがちなので、そうではなく “tr” を一つの音だと意識するだけでグンと自然で伝わりやすくなります。
私はニュージーランドに住み始めた時に、スーパーの買い物カートの “trolley” が全く聞き取れず「チョリーって何?」と思ったことがあります。これも “tr” の音が聞き取れていなかったんですね。
他にも、基本的なところで “train” や “try”、”travel”、”trouble” なども「ト」ではないので変な母音を入れないようにしつつ、”tr” の音をしっかり意識するのが自然な発音のポイントです。
発音にまつわる英語コラム
以下のコラムでも発音を取り上げています。ぜひ合わせてご覧ください。