今回のコラムは、”hold up” についてのお話です。
この “hold up” というフレーズ、耳にしたことはありますか?”hold” も “up” もそんなに難しい単語ではないですが、合わさると意味がちょっと分かりにくかったりしますよね。
今回はいくつかある “hold up” の意味の中から、日常会話でわりとよく耳にする使い方を紹介します。
“hold up” は「遅らせる」イメージ
“hold up” がもっている大きなイメージは
delay(遅らせる)
です。動いている何かを遅くさせたり、動きを妨げたりする時によく使われます。…と言っても、いまいちイメージしにくいかもしれないので、具体的にどんなふうに使われるのかを見てみましょう!
例えば職場で、同僚に聞きたいことあって声をかけようとしたら、ちょうど外出しようとしているところだった…という場面を想像してみてください。
「一瞬だけいいかな?」と声をかけるとしたら、こんなふうに言えるんです。
- I don’t want to hold you up, but can I ask you something quickly?
“hold you up” で「あなたを遅らせる」という意味なのですが、この場合は「あなたを引き止める」というニュアンスになります。
他にも、誰かと道で立ち話をしていたら「あ、もう行かなきゃ」と言われたような時には、
- Oh, I’m sorry. I didn’t mean to hold you up.
で「あ、ごめん!引き止めるつもりじゃなかったんだよ」みたいな意味になります。
また「人」だけではなく「何か」を遅くさせる時にも使えるんです。例えば、長蛇の列なのに先頭の人がモタモタしているような時には、
なんていう表現を耳にします。
「列を遅らせている」が直訳ですが「後ろがつかえてるよ」「誰がモタモタしてるのよ」みたいな感じをイメージすれば分かりやすいかもしれませんね。
“hold up” は受動態でも使われる
“hold up” は「遅らせる」なので、”be held up” や “get held up” になると「遅れさせられる」ですね。
これは「誰か(何か)につかまる」や「長く待たされる」を表す時によく使われるんです。例えば、
- I’m sorry I’m late. I got held up in traffic.
遅れてごめん。渋滞につかまったんだ - I’m sorry I’m late. I got held up at work.
仕事で遅くなっちゃってごめんね - We were held up at the airport for more than an hour.
空港で1時間以上も足止めをくった
みたいな感じですね。動きを止められる、遅くされる感じをイメージしてくださいね。
「持ちこたえる」という意味の “hold up”
最後は、これまでの “hold up” とは少し違うけど、会話でよく耳にする使い方を紹介したいと思います。
“hold up” には「遅らせる」以外にも、こんな意味があるんです↓
to remain strong and working effectively
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
・She’s holding up well under the pressure.
ちょっと分かりにくいですが、ニュアンスとしては「(大変な状況の中で)持ちこたえる」といった感じで “be holding up” の形でよく使います。
上の例文は「彼女プレッシャーの中でよくやっている、よく持ちこたえている」という意味になります。
他にも、友人のお母さんが亡くなったと聞いて少し経った頃に、心配して声をかけたい時に、
- How are you holding up?
その後、どうしてるの?大丈夫? - How‘s your father holding up?
お父さんはどうしてるの?大丈夫?
と聞くことがあります。これも「どう持ちこたえているの?」というのが直訳ですが「その後どうしてるの?大丈夫?」と様子を聞くニュアンスで使われています。
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