「予約」は英語でどう表現するのでしょうか。
前回のコラムで紹介しましたが、日本語で言う「予約」を表すときによく使われる単語は、大きく2つに分けると、
- reservation、booking
- appointment
でしたね。この2つの大きな違いについては前回のコラムを参照してください。
今回のコラムでは、上の1に挙げた “reservation” と “booking” について詳しく取り上げたいと思います。
■「予約」ではない “reservation” の意味は以下のコラムをご覧ください↓
“reserve” と “book” の違いは何?
“reservation” と “booking” の違いを考える前に、動詞の “reserve” と “book” の違いをおさらいしておきましょう。
「予約する」と言うときに “reserve” と “book” のどちらを使ったらいいのか悩んだことはありませんか?
イギリス英語では “book” がよく使われる傾向があると思います。実際にニュージーランドでも、何かを「予約する」と言うときは、大抵 “book” が使われている印象です。
ただ、そもそも “reserve” と “book” には、
reserve:確保する、取っておく=keep
book:手はずを整える、手配する=arrange
といったニュアンスの違いがあります。
●”reserve” のイメージ
“reserve” はある特定の日時に使うために「取っておく」「キープする」ということですね。他の人に取られないように確保しておくイメージです。
レストランの予約席に置いてあるプレートや、専用駐車場によく書かれている “Reserved” は「確保(キープ)されています」というニュアンスですね。
●”book” のイメージ
そして、”book” は「予約表に書き込む」というイメージなので、具体的に「手配する」というニュアンスを持っています。
- I haven’t booked my flight yet.
飛行機はまだ予約していません - You can book online.
インターネットで予約できますよ - Can you book us in for a 10 o’clock tour?
10時のツアーに予約を入れてもらえますか?
日本語でもおなじみの言葉「ダブルブッキング」の動詞 “double-book” は、同じ席や部屋などを複数人と手配してしまうことなので、”double-booking” なんですね。
また「予約でいっぱいです」にも “book” を使って、”fully booked” や “booked up” のように言います。
- Sorry, we’re fully booked.
すみません、予約でいっぱいなんです
席や部屋を「取っておく」というよりは「手配する」予約(例えば、アクティビティーや船など)は “book” が使われます。なので「予約する」という意味では、”reserve” よりも “book” の方が用途が広いかなと思います。
また、”reserve” は後ろに必ず「何を」取っておくのかが入りますが、”book” は目的語なしで使うことができるのが特徴です。
- Book now
今すぐ予約 - Book early and save!
早めの予約がお得! - Book early to avoid disappointment
(予約が取れなくて)がっかりしないようにご予約はお早めに - How far in advance should I book?
どれぐらい前に(早く)予約したらいい?
“reservation” と “booking” の違い
では、名詞の “reservation” と “booking” の違いです。
これは人によって差がないと言う人もいるので、気にするほど大きな違いはないと思うのですが、違いがあるとすれば私が考えるのは、
reservation:(席や部屋など)特定の日時に使うために確保されてるという取り決め
booking:(席や部屋・サービスなど)特定の日時に使うために行う手配
かなと思います。”reservation” は「取ってあること」というニュアンスで、”booking” は具体的な「手配」のニュアンスです。
- I’d like to make a reservation for this evening.
ディナーの予約をしたいのですが - We have a reservation.
予約があります - I made the booking yesterday.
昨日予約しました - Here’s my booking reference.
私の予約番号はこれです
ただ、ニュージーランドでは上の “reservation” の部分を “booking” と言う人も多く、どちらも同じように使われているケースが多いです。
“reservation” と “booking” の差は微妙
“reservation” と “booking” はレストランやホテルの「予約」には、どちらを使っても意味に大きな違いはありません。
実際に私がニュージーランドの宿泊施設で働いていたときには、お客さんから、
- We have a reservation.
- We have a booking.
- I’d like to make a reservation.
- I’d like to make a booking.
のどれも耳にしました。
人によっては、予約時に支払いを済ませるものを “booking”、済ませないものを “reservation” と呼ぶ、と言う人がいたり、”reservation” より “booking” の方が確約されたニュアンスが強い、あるいは “reservation” の方がフォーマルと言う人もいたりして、人によっても使い分けが違うようです。
“reserve” と “book” の基本の意味をしっかりおさえつつ、自分の周りではどんなふうに使われているかチェックしてみてくださいね。
「予約」にまつわる英語コラム
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