最近、日本で「トラベルバブル」という言葉が使われ始めているのをご存じですか?
日本とハワイの間で「トラベルバブル」を形成しようという案が上がっていたり、ニュージーランドとオーストラリアの間でも “travel bubble” の話が進められていて、最近のニュースでよく見かけます。
では、この「トラベルバブル」とはどんなものなのでしょうか? 「バブル(bubble)」の意味もあわせて詳しく紹介します!
「トラベルバブル」とは?
最近使われ始めている「トラベルバブル(travel bubble)」とは、国境開放へ向けた手段の一つです。
今現在は新型コロナの拡大を防止するために、他国に対して入国拒否をしていたり、入国は許可しても2週間の隔離を義務付けるといった規制を設けている国が多いですよね。
そんな中、感染状況が落ち着いた国と国との間で「自由に行き来できる域内」を作ろうという動きがあります。
最初から多くの国に対して国境を開く(規制を解除する)のはリスクが大きいので、まずはお互い安全だと合意した国同士で移動制限を解除し、自由な行き来を再開しよう、ということです。
この「国家間の自由に行き来できる域内」が「トラベルバブル」です。
つまり、トラベルバブル内であれば、隔離義務なしで海外旅行が楽しめるというわけですね。感染していない人に限るなどの制限は残るとしても、実現すれば新型コロナで大打撃を受けた観光・旅行業界にとって大きな一歩となります。
“bubble(バブル)” の意味とは?
「トラベルバブル」の「バブル(bubble)」とは「泡」のことです。
もちろん目に見える泡ではないですが、ものすごく大きな泡に、2つもしくはそれ以上の国が包まれているのを想像してみてください。
泡に守られた中では人の移動が自由にできるものの、泡の外から入ってくることはできません。なので、バブルの外からのウイルスの影響を受けない、ということです。
この “bubble” の考え方は、新型コロナの感染拡大防止対策としてニュージーランド政府が用いたものです。
ニュージーランドではロックダウンに入る3月26日の午前0時の時点で人々の自由な移動が禁止されました。つまり、旅行者を含めて4週間はその場所から移動できなくなりました。
そして、その時点で同居している家族、または一つ屋根の下に住む人たち(シェアハウス、ホステル、バックパッカーズなど)で “bubble” を形成し、ロックダウンの間はそれぞれの「bubble内にとどまること(Stay in your bubble)」が義務付けられました。
「bubbleの外の人」とは接触が禁止され、散歩や買い物で外に出る際は「bubble外の人」とは2mのソーシャル・ディスタンスを取ることで、感染が起きても「bubble内」に封じ込められ、社会全体に拡大するのを防ぐことができるという考え方です。また「bubble内」に感染者がいない限り「bubble内」は感染のリスクから守られます。
逆に言うと、”bubble” を破れば感染は拡大してしまいます↓
As many people around the world head into #Covid_19 #lockdown, @XTOTL & I explain why it’s so important. https://t.co/XchuTH4XJg pic.twitter.com/WY1ilUujcU
— Dr Siouxsie Wiles (@SiouxsieW) March 25, 2020
The plan doesn’t work if we only kind of stick to it. From the latest piece by @SiouxsieW on @TheSpinoffTV on why staying in our bubble is so important: https://t.co/9xbF2HSlFG pic.twitter.com/kAdEtM7xIx
— Toby Morris (@XTOTL) March 31, 2020
この “bubble” の考え方をそのまま国家間に広げたのが、上で紹介した「トラベルバブル」です。
「trans-Tasman bubble(トランスタスマンバブル)」とは
ニュージーランド政府は、ロックダウンで用いた “bubble” の考え方を国家間へ広げ、まずはオーストラリアとの “travel bubble” 形成実現へ向け、5月初旬から話し合いを進めています。
それが「トランスタスマンバブル(trans-Tasman bubble)」です(英語の発音は/trænz ˈtazmən/と濁ります)。
“trans-” とは “across” という意味で、ニュージーランドとオーストラリアの間にある海の名前が「タスマン海(Tasman Sea)」なので、こう呼ばれています。
実は世界では「トラベルバブル」がすでに実現している国もあるんです。それがバルト三国です。この3つの国では相互に国境封鎖が解除され、住民たちの隔離義務なしの移動が実現しています。
また、先日私が目にしたのが、日本とハワイ間で「トラベルバブル」を模索する声がハワイ側であがっているという記事です。これが具体化してくれば、日本でも「トラベルバブル」という言葉を耳にする機会が増えるかもしれませんね。
■規制を「解除する、緩和する」の英語表現はこちらで紹介しています↓
■「隔離する、自主隔離」の英語表現はこちら↓
■”stay home” と “stay at home” の違いとは?
■「旅行に行く」「旅行する」を英語で言うと?
●新型コロナにまつわる英語表現はこちら↓↓↓