12月に入ったかと思うと、あっという間に年末になりそうな師走ですね。
年末年始はどこかに旅行する予定はありますか?今回のコラムは「旅行する」「旅行に行く」の英語表現をおさらいしたいと思います。
以前コロナ禍では「Go To Travel」というキャンペーンもありましたが、実は「旅行に行く」は “go to travel” とは言わないんです。
“trip” と “travel” の違い
「旅行する」「旅行に行く」というと、“trip” と “travel” を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。まずはこの2つの単語の違いから見てみましょう。
“trip” と “travel” の使い方の大きな違いは、
trip → 名詞で使う
travel → 動詞で使う
です。“trip” には「旅行する」という動詞の意味はなく、名詞で使います。逆に “travel” は「旅行する、旅行に行く」を表す動詞として使いますが、“How was your travel?(旅行どうだった?)” みたいな名詞の使い方はできません。
そして、ニュアンスの違いとしてはこんなことが挙げられます↓
trip → 短い旅行、どこかに行って帰ってくること
travel → どこかからどこかに移動する(特に長距離)
です。“trip” は「行って帰ってくること」なので、ちょっとした旅行によく使われますが、旅行以外でも使われる単語で、例えば、
- I’ve just made a trip to the airport to drop off my friend.
友達を送りに空港に行って来たところだよ
などは「ちょっと行って帰ってくる」のイメージを掴みやすいかなと思います。
そして、“travel” も「旅行する」以外では、
- I travel a lot for work.
仕事でいろんな場所に行きます - Light travels faster than sound.
光は音よりも速く伝わる(進む)
みたいに使われることからも「場所を移動する」という移動のニュアンスを感じ取れるのではないかと思います。
このニュアンスの違いは結構大切なので、この違いをしっかりイメージした上で「旅行に行く」「旅行する」の英語表現を見てみましょう!
「旅行に行く」「旅行する」を英語で言うと?
日帰り旅行や土日で行ったりする1泊ぐらいの期間の短い「旅行に行く」は、
go on a trip
take a trip
のように名詞の “trip” を使うことがとても多いです。
- I’m going on a trip next week.
来週、旅行に行きます - I recently took a trip to Kyoto.
最近京都に旅行に行きました
「〜に、〜へ」のように旅行の目的地を表すには、“a trip to 〜” にすればOKです。上でも紹介しましたが、“trip” は必ず名詞として使うので、“I tripped to Kyoto.” とは言えません。
- How was your trip?
旅行どうだった? - Have a great trip!
旅行楽しんでね! - Enjoy your trip to Hawaii!
ハワイ旅行楽しんでね!
なども旅行の話になるとよく使うフレーズです(長期の旅でもこの場合は “trip” を使います)。
また、夏休みなどの長期休暇を取って行く旅行には、
go on holiday
on holiday
holiday
もよく耳にします。例えば、
- I went to Hawaii on holiday.
- I went on holiday to Hawaii.
(休暇で)ハワイに旅行に行きました - I’m going to Thailand for my holidays.
(休暇で)タイに旅行に行きます
みたいな感じですね。イギリス英語圏では “holiday” ですが、アメリカ英語では “vacation” がよく使われます。
さらに「旅行」という表現にこだわらずに、ただ単に、
などと言うことも実は多いです。これらは「旅行に行く」とは限りませんが、会話の内容次第で旅行ということを表せるシンプルな表現です。
- I went to Australia with friends last year.
去年友達とオーストラリアへ行きました - I’m going away for the weekend.
週末は(旅行に)出かけます - I visited Kyoto over the weekend.
週末、京都に行きました(京都を訪れました)
ただし、“go to 〜” の「〜」には「どこへ(場所)」が入るので、“go to travel” とは言いません。
“travel” で表す「旅行する」
“travel” は一般的な「旅行する」という行為自体や、ちょっと遠い場所まで旅をしたり、いろんな場所をまわってじっくり旅行する場合に使われる単語です。
ここで先ほど紹介した “travel” の「移動する」「長い距離を移動する」イメージが生きてきます。
- I love travelling.
私は旅行が大好きです - I used to travel overseas a lot for work.
以前は仕事でよく海外に行っていました - I’m saving up to travel to the UK.
イギリスに旅行するために貯金をしています - I’m going to travel across Europe next year.
来年、ヨーロッパを旅行するつもりなんだ - We spent a whole month travelling around the US.
私たちは丸々1ヶ月アメリカを旅行した - I want to travel the world.
世界のあちこちを旅行したい
なので、ちょっとした短期間の「〜に旅行に行く」「〜に旅行に行った」にはあまり使われません。
ちなみに、“travelling” や “travelled”、“traveller” のようにL(エル)が2つ重なるのがイギリス英語で、アメリカ英語では1つです。
名詞の “travel” の意味と使い方
最後にちらっと名詞の “travel” のお話を。
名詞の “travel” は個々の具体的な「旅行」ではなく、一般的な「旅行という行為」を表す場合や「移動」という意味で使われます。
- International travel was impossible back then.
当時は海外旅行は不可能でした - My job involves a lot of travel.
私の仕事は出張が多いです(多くの出張を伴います)
また、形容詞的に「travel+名詞」という形で「旅行○○」を表すときに使われることが多いです。
- travel costs/expenses:旅費
- travel industry:旅行業界
- travel agent:旅行代理店
- travel insurance:旅行保険
- travel restriction:渡航制限
こんな形容詞的な使い方は “trip” にはない、“travel” の大きな特徴です。
今回は「旅行する」「旅行に行く」の表現をいくつか紹介しましたが、使えそうな表現から覚えて使ってみてくださいね。
■“trip” を動詞で使うと「つまずく(つまずいて転ぶ)」という意味になります↓
■海外旅行に行く人に「気をつけてね」「楽しんでね」と言う時によく使われるフレーズはこちらで紹介しています↓
■“go away” で表す「旅行に行く」はこちらで詳しく紹介しています↓
■「週末に」って英語で何て言う?
■「連休」の英語表現はこちらで紹介しています↓
■「楽しみ!」を英語で言うと?
■世界の観光地の名前、英語で言えますか?