人に何かを「(注意して)見ておいてもらえますか?」とお願いしたり、逆に「(気にかけて)見ておくね」と言ったりすることってありますよね。
例えば、席を離れるちょっとの間だけ荷物を見ててもらいたいという場合や、逆に荷物を見ておいてあげるというシチュエーションですね。
そんな、ちょっと「注意して見ておく」「気にかけておく」「目を光らせておく」といった意味でよく使われるフレーズに、”keep an eye on” と “keep an eye out” があります。
この2つの違いとそれぞれの使い方を詳しく紹介します!
「ちょっと荷物を見ててもらえますか?」は “keep an eye on” を使って
例えば、一人で海外旅行中にカフェやレストランに入った時。トイレに行く間、皆さんは荷物はどうしていますか?
荷物がほとんどなければそのままトイレに行けますが、大きい旅行カバンや荷物があった場合、たとえ短い間でも荷物をその場に残して離れるのは不安ですよね。
誰かが一緒にいれば荷物を見ててもらえますが、一人ならそんな訳にもいきません。
基本的には海外で荷物を放ったらかしにすると盗まれる可能性があるので、絶対に安全とは言い切れませんが、店員さんにこう声をかけておけば安心な場合もあります↓
- Can you keep an eye on my bag for a minute?
- Can you keep an eye on my stuff while I go to the bathroom?
ここで重要なのが、”keep an eye on 〜” です。意味は、
to take care of somebody/something and make sure that they are not harmed, damaged, etc.
(オックスフォード現代英英辞典)
なので「〜を注意して見る、〜から目を離さない」ということです。上のような荷物を置いてその場を少し離れるシチュエーションで使うと「取られないように見ておいてね」というニュアンスになります。
他には “watch” を使って、
- Can you watch my bag while I go to the bathroom?
- Can you watch my stuff? I’ll be back in a minute.
と言っても意味は同じになります。
「注意して見ておく(探す)」の “keep an eye out/open”
次の “eye” を使った表現は、”keep an eye out (for 〜)” です。
これはどんな時に使われるかというと、例えばこんな時です。
私がピアスを片方なくして探し回っていたときに言ってくれたのが、こうでした↓
- I’ll keep an eye out for it.
“keep an eye out (for 〜)” とは、
to watch carefully so that you will notice when someone or something appears
(ロングマン現代英英辞典)
という意味で使われるフレーズです。何かが現れたときに気づくように「目を光らせておく」「注意して見ておく」みたいなニュアンスですね。
また、以前私が「今、アパートを探してるんだ」と友人に話したら、
- I’ll keep an eye open for any good places.
と言ってくれたことがありました。これは「良い物件がないか注意して見ておくね」ですが、こんな場合は「アンテナを張っておくね」みたいな感じですね。
“keep an eye out/open for 〜” は積極的に探し回るのとは少し違って、出てきたときに見逃さないように気にかけて見ておくというニュアンスなので、失くした物を「あるか気にかけて見といてくれない?」と人に頼みたいときにも使いやすいフレーズです。
- I think I’ve lost one of my earrings. Can you keep an eye out for it?
ピアスの片方がなくなっちゃったみたいなんだけど、(あるかどうか)ちょっと気にかけて見ててくれない?
みたいな感じですね。
“keep an eye on” と “keep an eye out/open” の違い
上で紹介した2つのフレーズ、
- keep an eye on 〜
- keep an eye out/open for 〜
はとてもよく似ていますよね。
でも、”keep an eye on 〜” は「(そこにある物や人を)じっと見張る、見守る、目を離さない」という注意して見る “watch” のニュアンスなのに対して、”keep an eye out for 〜” は「(そこにないけど出てくるかもしれない物や人を)探す」という “look for” のニュアンスを含んでいます。
関連したこんな表現も
“keep an eye out/open” によく似た表現で、”keep one’s ears open” というのもあります。
「注意して聞く」ですが、耳に入ってくる情報を気にかけて注意しておく、といったニュアンスになります。”eyes” とセットで、
- I’ll keep my eyes and ears open!
とすれば、何か良い情報を見たり聞いたりしたら知らせるね、といった意味になるので、友達が就職先を探していたり、いい情報があったら教えてねと言われた時の返事にピッタリです。
今回紹介したフレーズは、実際に使ってみないと簡単には口から出てきませんが、使えそうなシチュエーションがあれば、ぜひ使ってみて下さいね。
特に “I’ll keep my eyes and ears open” などは、使えるピッタリの場面が意外に身近にあるかもしれませんよ。
■”watch” で表す「目を光らせておく」「注意して見る」は、こちらで詳しく紹介しています。「足元注意!」「危ない!(気をつけて!)」にも “watch” は使えるんです↓
■「体のパーツ」にまつわる英語表現は以下のコラムでも紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください!↓