今回の和製英語シリーズのテーマは「車」です。
車のパーツを表す言葉って、カタカナ英語が結構多いんです。
私自身、以前の職場でお客さんのレンタカーにトラブルがあった時に、レンタカー屋さんに何度か電話したことがあるのですが、カタカナ英語に惑わされるだけでなく「あれ?これって英語で何て言うんだっけ?」と単語が全く思い浮かばなかった、ということもあります。
今回は、海外旅行でレンタカーをする際に覚えておきたい「車のパーツの英語」をお届けします!
「フロントガラス」は英語で何て言う?
車のパーツの和製英語と言えば、定番の「フロントガラス」。
「フロントガラス」なんていう、いかにも英語っぽい名前で呼ばれていますが、これは英語では通じません。
「ガラス」は英語で “glass” なので “front glass” にすれば通じるかと言うと、実はそうでもないんです。正しくは、
windscreen(イギリス英語)
windshield(アメリカ英語)
と言います。もはや “front” はどこにも出てきませんね(笑)
ちなみに、車で走っていると前の車や対向車からの飛び石で “windscreen” に傷が入ってしまうことってありますよね。
そんなちょっと欠けてしまったような傷は英語で “chip”、ヒビが入ってしまった傷は “crack” と言います。
「バックミラー」も和製英語?
「バックミラー」もいかにも正しい英語感満点の名前ですが、これも実は和製英語なんです。”back mirror” ではなく、正しくは、
rearview mirror
と言います。”rear” は「後部・後方・後ろ」という意味なので「後方を見る鏡」ということですね。
この「後部」を表す “rear” は、日本でも「リア」というカタカナで使われています。例えば、車の後部座席のことを「リアシート」と呼んだりしますよね。
英語でも後部座席のことを “rear seat” と呼ばないことはないと思いますが、通常は “back seat” と言うことのほうが多いと思います。
なんだかややこしいですね(笑)
「ハンドル」を英語で言うと?
“handle” という英単語は実際にありますが、車の「ハンドル」は、
steering wheel
the wheel
と呼びます。”wheel” は「車輪」という意味もあってちょっとややこしいのですが「車輪」と「ハンドル」では表現の仕方がちょっと違うんです。
「車輪」はたいてい4つあるので “wheels” や “one of the wheels” と言われるのに対し、ハンドルは車に一つしかないので、”the wheel” と呼ばれます。
では、英語で “handle” と言うと、どんな物を表すのでしょうか?
それは「(ドアや引き出しの)取っ手」です。
なので「ハンドル」のつもりで “car handle” と言うと、相手は車のドアの取っ手を想像してしまうかもしれないので、注意が必要です。
「ウインカー」は和製英語?
これは完全な和製英語ではありません。ジーニアス英和大辞典には、
winker; 《英略式》(車の)ウインカー、方向指示器
と書いてあります。
でも、私はニュージーランドで “winker” は聞いたことがありません。
イギリスでは “winker” で通じるのかもしれませんが、ニュージーランドでは、
indicator
が一般的によく使われています。”indicate” が「指し示す」という動詞なので、”indicator” は直訳すると「指し示すもの」という感じですね。
「ウインカーを出す」は英語で “use indicator” などと言います。
ちなみに、アメリカ英語では “blinker” や “(turn) signal” とも言うそうです。
“winker” とは英語で「ウィンクをする人」という意味があるので、こちらを連想する人もいるかもしれませんね。
その他にもある、車の和製英語
「アクセル」も言わずと知れた和製英語ですね。
イギリス英語の “accelerator” から来ていますが、アメリカ英語では「アクセル」のことを “gas pedal” と呼びます。
「ブレーキ」は英語でも “brake” ですが、読み方は「ブレーキ」ではなく「ブレイク」なので注意が必要です。
ちなみに、助手席の前にあるダッシュボードのところのボックス(物入れ)は日本語では「グローブボックス」と言うそうですが、英語では、
glove compartment
もしくは “glove box” と言います。もともと手袋を入れていたことから、この名前が付いたようです。発音は「グローブ」ではなく /ɡlʌv/ なので注意してくださいね。
レンタカーで旅行をする場合、日本国内なら何かトラブルがあっても言葉で困ることは無いと思いますが、海外では何か問題が起こると、まずは電話で現状を説明することになります。
そんな時のためにも、今回紹介したパーツの英単語はゼヒ覚えておいてくださいね!
■「ドライブレコーダー」もちょっと通じないかもしれません↓
■”bike” は「バイク」?それとも「自転車」?
■「チャイルドシート」「ベビーカー」も英語ではちょっと違うふうに呼びます↓
「英語っぽいのに通じない単語」シリーズ
こんな感じで、英語っぽいのに通じない単語たちを少しずつ紹介しているこのシリーズ。
次の「通じない単語たちシリーズ13」は、意外と知られていない、肉の部位を表す英語と和製英語です!↓
■■シリーズを通して読んでみたい方は、こちらからどうぞ!