“all right” というフレーズがありますよね。
では、”alright” という単語も見たことがありませんか?
この “all right” と “alright”、どっちが正しいのでしょうか?
“all right” と “alright” の違い
簡単に言ってしまうと、この2つは意味的には同じです。
英英辞典を引いてみると、こんなふうに書いてあります↓
The spelling alright is less common than all right and is regarded by some people as an error. It occurs mainly in informal writing.
The Britannica Dictionary
確かに “alright” は “all right” よりもインフォーマルな感じがしますが、カジュアルなメールやSNSなどでは “alright” の方が多いのでは?と言うぐらいかなりよく見かけます。
なので、”alright” が一概に “less common” とは言えないかもしれません。そこで、この2つの違いを挙げるとすると、
- all right:正式なスペリング。フォーマルな文章でも使える
- alright:インフォーマルな文章で特によく使われる。ただ、正しくないとする人もいるので、フォーマルな文章では避けるのがベター
といったところだと思います。
“all right” の使い方いろいろ
“all right (alright) ” は日常会話にとってもよく登場するフレーズ(単語)の一つだと思います。
そこで次は、”all right (alright) ” が実際にどんなふうに使われるのかを見てみましょう!
■「大丈夫」の “all right”
最もよく耳にすると言っても過言ではないのが「大丈夫」という意味での使い方です。
“all right (alright)” と言えばこれ、というほど代表的な使い方なので、ぜひ覚えておきましょう。
- Hey, you don’t look very well. Are you all right? −Yeah, I’m all right, thanks.
「体調悪そうだけど、大丈夫?」「うん、大丈夫。ありがと」 - (店員さん)Are you alright there?
大丈夫ですか?お手伝いしましょうか? - Are you hurt? Are you alright?
ケガしてない?大丈夫?
■「まあまあ」「悪くない」の “all right”
「特別良くもないけど悪くもない」というニュアンスの “satisfactory, but not excellent” という意味でもよく使われます。何かに対して自分の意見や感想を言う時の「悪くはない」ぐらいのテンションです。
- How was the movie? −It was alright.
「映画どうだった?」「まあまあだったよ」 - The food was alright, but the service was terrible.
食べ物はまあ悪くなかったけど、サービスは最悪だった
■同意する時の “all right”
何かに誘われた時の返事で使う “all right” は「オッケー」というニュアンスの「いいよ」になります。「楽しみ!」というノリノリの感じとはちょっと違うのでご注意を。
- Do you want to go out tonight? −All right.
「今晩出かけない?」「いいよ」
©️Emily
■”Thank you”、”Sorry” に対する返事の “all right”
“Thank you” と誰かに言われた時や、”Sorry” と謝られた時に返すフレーズとしても “all right” はよく使われます。
- Thanks for the lift. −That’s all right.
「車で送ってくれてありがとう」「大丈夫(全然構いませんよ)」 - (人にぶつかって)Oh, sorry. −That’s all right.
「ごめんなさい」「大丈夫ですよ」
■「結構です」の “all right”
食べ物や飲み物などをすすめられて、断る場合にも “all right” が使えます。ニュージーランドのカフェ・レストランで働いていた時、ネイティブが使うのをとてもよく耳にしました。
日本語でも断る時に「大丈夫です」と言う人がいますよね。そんな感じです。
- Would you like another coffee? −(No,) I’m all right. Thanks.
「コーヒーのおかわりはいかがですか?」「結構です。ありがとう」
■許可を求める時の “all right”
「〜してもよい」という意味でも “all right” が使われます。疑問文で「〜してもいいですか?」の形で使われることが多いです。
- Would it be all right if I left early today?
今日は早退してもいいですか?
■「分かった」の “all right”
- Call me when you get home, all right?
家に着いたら電話してね。分かった? - Hurry up! −All right, all right, I’m coming!
「急いで!」「分かった分かったよ、今行くよ」
“alright” がよく使われているから使っても問題ない、ということではないですが、言葉は時代とともに変わるもので、”alright” は以前よりもよく使われるようになってきているようです。
ただ、先ほども紹介しましたが「”alright” は間違っている。”all right” と書くべき」という考え方もあるので、どちらを使うか迷った場合は敢えて使う必要はないかもしれません。
イギリスの不思議な挨拶 “Alright?”
最後に、”alright” を使ったイギリスの不思議な挨拶を紹介したいと思います。
例えば、知り合いに会った時にこんなふうに声をかけます↓
- You alright?
- Alright?
これってどんな意味だと思いますか?
実はこれは「相手の具合が悪そう」とか「何かあったの?大丈夫?」的なニュアンスではなく、ただの「やあ!」という “Hi” 的な挨拶なんです。
イギリス英語の影響が強いニュージーランドでも、さすがにこの習慣はありません。耳にしたのはどれもイギリス出身の人からでした。
私も初めて聞いた時は「え?」と思いましたが、イギリスではよくある挨拶なんだそうです。イギリスで “You alright?” といきなり言われてもドキッとしないでくださいね。
“all right(alright)” に関連するコラム
■”all right” は “OK” と似ています↓
■”Are you alright there?” は店員さんがよく使う表現です↓
■「結構です」「いえ、大丈夫です」にもよく使われる “I’m alright”↓
■普段からよく使う「大丈夫」「全然大丈夫」の英語表現はこちらで紹介しています↓