“go” と “come” の使い分け、上手にできてますか?
“come” は「来る」と訳されることが多いですが、場合によっては日本語で「行く」と言う場面でも使われたりします。
“go” も「行く」なのに、なぜ “go” を使わずに “come” を使うのでしょうか。
そんな、違いがちょっと分かりにくい “go” と “come” ですが、あるルールさえ覚えておけば簡単に使い分けられるんです。
“go” と “come” の使い方
学校では「go=行く」「come=来る」と習いましたよね。
でも、使い分けがややこしくなってしまうのは、こんな文章が出てくるからです。
例えば、台所のお母さんに「ご飯できたよ」と言われた時に返す「いま行くねー」は、
- I’m coming!
です。「行く」と言っているのに “come” を使うんです。また、友達に言う「12時に会いに行くね」なんかも、
- I’ll come and see you at 12.
です。これも「行く」なのに “come” を使っていますね。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
“go” と “come” の意味と違い
上に挙げたような文章以外なら、”go” と “come” の使い分けは簡単ですよね。
念のため、English Grammar in Useで【come vs go】という項目を見てみると、こんなふうに書いてあります。
With go the movement is usually away from the speaker;
With come the movement is towards the speaker
“go” は話し手から遠ざかっていく動き、反対に “come” は話し手に向かってくる動きです。
ここまでは全くややこしくないですよね。
でも、先ほど出てきた文章は、これと反対になってます。
「行く=話し手から遠ざかる」のに、なぜ “come” を使うのでしょうか?
使い分けで覚えておくべきルールは1つ
実は、上に出てきた “go” と “come” の定義に、一つだけ特別ルールがあるんです。
自分が話している相手のいる場所に近付いていく時は “come” を使う
これだけです。
「なんで?」と考えても混乱するだけなので、これは覚えてしまいましょう。すると、上に出てきたような “come” を使う文章がすんなり理解できると思います。
台所のお母さんに呼ばれて「いま行くー」は、相手(=お母さん)のいる場所に近付いていくので “I’m coming”、友達に会いに行くのも、相手(=友達)がいる場所に行くので “I’ll come” です。
このルールだけ覚えてしまえば簡単ですよね!
では、ちょっと練習をしてみましょう。
“go” と “come” どっちを使う?
では、以下の2つのシチュエーションでは “go” と “come” のどちらを使って、どんな文章になるか考えてみて下さい。
あなたの目の前にドアが半開きの部屋があります。あなたは入ってもいいかどうか、周りの人に尋ねます。
- あなたと同じように部屋の前にいる人に尋ねる「入ってもいい?」
- 部屋の中にいる人に向かって言う「入ってもいい?」
どうでしょうか?上のルールをふまえると簡単ですよね。正解は、
- Can I go in?
- Can I come in?
です。特別ルールを思い出して下さいね。2の文章は相手(=部屋の中にいる人)に近付いていくので “come” を使います。
使い分けのコツはたった1つ
通常の “go” と “come” は簡単に使い分けられると思うので、話している相手に近付いて行く時は “come” を使うことにだけ注意すれば混乱しません。
会話のスピードではいちいち考えている時間はないので、これをイメージでとらえておくことが大事です。
そのイメージができると、例えばこれからどこかに行こうとしている友達に、あなたが「私も行っていい?」と聞くときには、”Can I come too?” と言えるのが分かると思います。
“come” と言うべきところで “go” と言い間違えてもそれほど大問題になることも無いと思うので神経質になりすぎなくても大丈夫ですが、「あれ?どっちかな?」と迷う場面に遭遇したら、上のルールを思い出して下さいね。
日本語訳にとらわれずに、イメージでとらえることが大事です!
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