“through” という単語、会話の中で使えていますか?
「〜を通って」という意味で習ったと思うのですが、実にいろんな場面で使われるのが、この “through” です。
今回は私が普段よく耳にする “through” の使い方をまとめてみました!
“through” の基本イメージ
日本語では「既読スルー」「スルーされた」などと言いますよね。
なので、英語の “through” も動詞だと思ってしまう人もいるかもしれませんが、“through” は【前置詞・副詞・形容詞】として使われる単語です。つまり、動詞ではありません。
そんな “through” がもつ大きなイメージは「〜を通って」。
その基本のイメージを膨らませた8つの “through” の使い方を紹介していきたいと思います。
1. 基本の「通り抜ける」イメージの “through”
学校で習った “through” の基本の意味は「〜を通って」でしたよね。
「通り抜けて」「くぐり抜けて」という「中を通ってAからBへ移動していく」イメージです。
- Go through the door, and turn right.
そのドアを通り抜けて右に曲がってください - One of the bullets went through the door.
銃弾の1発はドアを貫通した - We brought the sofa in through the window.
窓からソファを運び入れました - It took me almost an hour to get through the traffic.
渋滞を抜けるのに約1時間もかかった - Excuse me, coming through!
すみません、通ります
2. 人・手段など「〜を通じて」の “through”
「〜を通って」というイメージを派生させると「〜を介して、〜を通じて」といった意味でも “through” が使われるのが理解できると思います。
- I booked a holiday package through my travel agent.
旅行代理店を通してパッケージツアーを予約した - I met him through a friend of ours.
共通の知人を通じて彼と知り合いました - I sent an enquiry through your website.
ウェブサイトから問い合わせをしました
3. 通信関係で使う “through”
「こちらから向こうへ」というイメージで、人や物の動き以外でも “through” はよく使われます。
例えば、電話で「〜さんと話したいのですが」と言った時に相手から言われる、
- Please hold. I’ll put you through.
お待ちください。おつなぎします
もその一つだと思います。
また、通信関係では “go through” というフレーズがよく使われます。例えば、
- I’m trying to send some photos but they won’t go through.
写真を送ろうとしてるんだけど、うまくいかない(送れない)
みたいな感じですね。さらに、クレジットカードやデビットカードを使って支払う際にも “go through” はよく登場します。会計で「(カードが)通らなかった」「決済がちゃんとできなかった」というニュアンスで、店員さんから、
- It didn’t go through.
と言われたり、反対にお客さんが店員さんに、
- Did it go through?
と聞いたりします。「カードは通りましたか?」「決済できましたか?」みたいな感じです。
4.「〜(の終わり)までずっと」の “through”
「(…から始まって)〜までずっと」のような時間・期間を表す場合にも “through” が使われます。これは、“through to 〜” という形でよく使われます。
- The exhibition runs through to the end of March.
展覧会は3月の終わりまで開催されます - The meeting will start at 9am on and run through to lunchtime.
会議は朝9時に始まってランチタイムまで続きます
5.「(〜まで)一気に」の “through”
海外へ直行便ではなく経由便で行く時に、預けたスーツケースが経由地で出てくるのかどうかって気になりませんか?
私はすごく不安になるので、経由便に乗る場合は必ずチェックインの際に確かめるのですが、そんなときには大概こんなふうに言われます↓
- Your luggage goes straight through to Tokyo.
あなたの荷物は直接東京まで行きますよ
そして「目的地まで一気に」という同じイメージで、“straight through” はこんなふうにも使います↓
- We didn’t stop on the way. We drove straight through.
途中で止まらずに、一気に運転して行きました
6.「(困難を)経験する」の “through”
“(go) through” は大変なことや困難など、ネガティブなことを「経験する」を表す時に使われることも多いフレーズです。
- She’s going through a tough time right now.
彼女は今大変な時なんだ(大変な時を経験している) - I’m fine. I’ve been through worse.
私は大丈夫よ。もっと大変なことを経験してきてるから
大変なこと以外に「〜の時期や段階を経る」を表す時にも使われます↓
- She’s going through a growth spurt now.
今、成長スパート期なのよ
7. “finished” を表す “through”
“through” は “finished” の意味で使われることもあります。
- I think we’re through.
私たち(の関係)は、もう終わりだと思うわ
特に「中間で、途中で」を表す “halfway” をくっつけた “halfway through” というフレーズは口語でとてもよく登場します。
- We’re only halfway through the week… The weekend seems so far away.
まだ週の真ん中だ。週末は遠いなぁ - Don’t quit halfway through.
途中で投げ出すな
8.「突破する」の “through”
スポーツの試合や就職の面接のように、段階を経て選ばれていくようなものってありますよね。
そんな時に、段階ごとに「通った」「通らなかった」「次の段階へ進んだ」のような “successful” のニュアンスで “through” を使うことがあります。
- He didn’t get through to the final.
彼は決勝戦へ進めなかった - She‘s through to the next round of interviews.
彼女は次の面接へ進みました
イメージを持つことが大切
いろいろと紹介しましたが、全てに共通しているのは「通っていくイメージ」です。
なので、そのイメージをしっかり掴みつつ、フレーズを一つずつ使いながら覚えていくことが大切だと思います。
もちろん、今回紹介した以外にも “through” の使い方はたくさんありますが、大きなイメージを描けていると、どんな場面で使うのかが分かってくると思います!
■道を通してもらいたい時のフレーズと注意点はこちら↓
■電話で「おつなぎします」と言う時の英語表現はこちらで紹介しています↓
■“(go) through” は英語で道案内をする時にも役に立ちますよ↓
■「空気感染する」も “spread through the air” で表現できます↓