可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)ってややこしいですよね。
日本語では数えられるものが英語では数えられない名詞だったりするからです。
例えばトースト。日本語では「トースト2枚食べたよ」と言えますが、英語で “I ate two toasts.” とは言えません(“two pieces/slices of toast” が正解)。
ではここで問題です。“a tea”、“two coffees”、“two sugars”、“a hair” は正しいでしょうか?それとも間違いだと思いますか?
不可算名詞(数えられない名詞)とは?
可算名詞は「 1つ、2つ、3つ…」と数えられるものですね。例えば、“car”、“book”、“baby” などなど、数え切れないほどの名詞があります。
それに対して不可算名詞はその名前の通り「1つ、2つ」と数えられないとされる名詞です。冒頭のトーストのように、日本語とは「数えられる/数えられない」の概念がちょっと違うところが、ちょっとややこしいポイントです。
では不可算名詞はどんなものかというと、とってもザックリ言ってしまうと、こんなものです↓
- 明確な形が決まっていない
- 目に見えない
例えば、水やコーヒーなどのように容器に入れないと数えにくいもの(量で数えるもの)は「これで1個」という明確な形が決まっていないですよね。明確な境界線がなかったりして具体的な形が想像しにくいです。
また、目に見える形がない “love” や “heat(暑さ、熱)” なんかも「これで1つ」と数えられないので不可算名詞になります。
不可算名詞の例を挙げてみると…
何が不可算名詞なのか1つ1つ覚えるのって、気が遠くなりそうですよね。
ややこしいなと感じる不可算名詞を覚える私のオススメの方法は、短いフレーズで覚えてしまうことです。例えば、
- I usually have two pieces of toast for breakfast.
いつも朝食にトーストを2枚食べます
みたいな感じですね。こんな感じで覚えてしまうと、実際に使うときにサッと言えるし、変なところに “a” が入ったり “-s” をつけてしまうと、違和感を感じるようになると思います。
とはいえ、不可算名詞とはどんなものかザックリとした特徴みたいなものもあるので、ちょっと見てみましょう。
- 素材・物質:paper, wood, glass, iron, wool, gold, ice
- 液体・気体:water, milk, tea, coffee, beer, wine, air
- 食材:chicken, beef, pork, rice, milk, butter, bread, sugar, chocolate, cheese
- 天気に関する名詞:weather, rain, snow, thunder, lightning
- 全体・総称を指す名詞:furniture, information, advice, news, knowledge, equipment, rubbish, luggage/baggage, fruit, hair
- 目に見えないもの・抽象的なもの: love, time, luck, fun, work, homework, money, traffic, progress
まだ他にもたくさんありますが、なんとなく「こんなもの」というイメージを持っておくことは大切だと思います。
あと、辞書で名詞を引いたときに意味だけを見るのではなく [countable] [uncountable] や [C] [U] のマークもチェックしてみましょう。
可算名詞にも不可算名詞にもなる単語
ここからは話がちょっとややこしくなります。
名詞の中には意味によって可算名詞にも不可算名詞にもなるものがあるんです。少しだけ例を見てみましょう。
● paper
上の分類で「素材」のところに出てきた “paper”。“papers” と言うこともあるんです。そうするとただの「紙」ではなくて「書類、文書」という意味になります。
● hair
「髪」の総称としての “hair” は不可算名詞です。ただ「1本の髪の毛」となると “a hair” とも言えるんですね。
- She has long hair.
彼女は髪が長い - I found a hair in my food.
食べ物(食事)に髪の毛が入っていました
● room
“room” と言えば「部屋」を連想しませんか?その「部屋」はもちろん数えられます。つまり、“two rooms” と言えます。でも、“room” には「空間、余地」という意味もあって、その場合は数えられなくなります。
- The hotel has a lot of rooms.
そのホテルは客室がたくさんある - It’s taking up a lot of room.
それすごく場所とってるよ
● chicken
食材の “chicken” は不可算名詞でしたね。なので “chickens” にはなりませんが、“chickens” や “a chicken” という表現も存在します。それは「ニワトリ」を表す場合です。
- I like chicken.
私は鶏肉が好きです - They keep chickens.
彼らはニワトリを飼っている
これと同じパターンで、“lamb” も「ラム肉」を表す場合は不可算名詞、「子羊」は “a lamb” や “lambs” のように数えられる可算名詞です。
もちろん「羊」も数えられる名詞ですが、単数でも複数でも “sheep” なので、これはこれでややこしいですね…。
● coffee, tea, beer, juice など
液体のこれらも数えられない名詞ですよね。数える場合は “a cup of coffee/tea” や “a bottle of beer” みたいに容器で数えるのが基本です。
でも実際には、カフェやレストランでは、
- Two coffees, please. One latte and one cappuccino.
コーヒーを2つください。ラテを1つとカプチーノ1つ - We ordered two teas and an orange juice.
紅茶2つとオレンジジュースを1つ注文しました - I’ll have an Asahi.
スーパードライを1つください
のように言うこともあります。具体的な「カップ、グラス、ボトル」などの決まった容器に入ったもので1つと認識しているんですね。
同じように、“sugar” も基本的には数えられませんが、コーヒーや紅茶に入れる場合は「ティースプーン1杯、スティック1本」という捉え方で、
- One sugar, please.
- How many sugars? −Two please.
のように表現します。
可算名詞と不可算名詞はイメージが大切
どれが可算名詞でどれが不可算名詞なのか、1つ1つ暗記するのは無理なので、まずはだいたいの大まかな特徴と捉え方をイメージで理解することが大切だと思います。
数えられる名詞が捉え方で数えられなくなったり、また逆の場合もありますが、イメージができていれば意味の違いで捉え方で意味が変わるのも理解しやすいですよね。
とは言え、やっぱり日本人には理解しにくい部分もあると思うので、分からなくなったらその都度調べて覚えるという地道な作業が大事です!
不可算名詞の具体的な数え方
以下のコラムでは、いろんな数えられない名詞(不可算名詞)の数え方を具体的に紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください!