日本語を勉強している英語圏の人がよく言うことがあります。
「日本語って数えるのが難しい。1本、1人、1冊、1台…。英語はもっとシンプルだよ」
「確かに!」と思いますよね。
英語では「1本のペン」は “a pen” で「1人の人間」は “a person”、「1頭の象」は “an elephant” です。
「1つの」を表す時は、基本的には “a/an” を付けるだけです。確かにシンプルですよね。
でも英語にはそれだけではない、いろんな物の数え方があって、それが結構ややこしいんです。
レストランでよく使う「数え方」
英語の数え方が面倒くさい、と私が最初に思ったのはニュージーランドのカフェで働いていた時でした。
お客さんが英語でオーダーするのを聞いていると、何ともご丁寧に注文してくれるんです。
- a cup of tea:カップ1杯のお茶
- a pot of tea:ティーポット1杯のお茶
- a glass of orange juice:グラス1杯のオレンジジュース
- a bottle of wine/beer:ボトル1本のワイン/ビール
- a piece of cake:1切れのケーキ
といった感じです。“a” だけで済まされそうな感じがしてしまいますが、“a cake(切っていないホールケーキ)” と “a piece of cake(カットされたケーキ1つ)” は違います。
ワインは特に、グラスなのかボトルなのかをハッキリ注文しないといけないので、“a glass of wine” と “a bottle of wine” はとてもよく使われる表現です。
また、レストランではこんなものもよく耳にします↓
- a bowl of rice/soup:ボウル(お椀)1杯のご飯/スープ
- a pair of chopsticks:お箸1膳
日本語なら「白ごはん1つ下さい」と言うところを、英語では “a bowl of rice” と表現します。これでお茶碗1杯なので「白ご飯2つ」と注文する場合は “two bowls of rice” となります。
また、日本のコンビニでは「お箸いくつお付けしますか?」「1つでいいです」のような会話があったりしますが、英語で “a chopstick” と言うとお箸の片方だけになってしまいます。
お箸の他に靴や靴下・スリッパもそうですが、2つで一つの役目をするものには “a pair of” が使われます。ズボンやパンツ、ピアス・イヤリングなんかも “a pair of” の仲間ですよ。意外なところで「トング」も “a pair of tongs” と言います。

買い物や生活に役立つ、物の数え方
スーパーでは「○○ください」と店員さんにわざわざ言わなくても買い物ができてしまいますが、いざ「○○ください」と英語で言おうとすると、意外に言えないものがあることに気付きます。
では、ここでクイズです。
下に書かれてあるものを英語で言うとどうなるでしょうか?
正解は写真の下に書いてあるので、ちょっと考えてみてから読み進めてくださいね。
- バナナ1房
- ほうれん草1束
- 食パン1斤
- カットピザ1つ
- コーラ1缶
- ポテトチップス1袋
- イチゴ1パック
- ハサミ1つ
- サングラス1つ
- ニンニク1かけ
- アイスクリームのシングル

では、正解を見ていきましょう。
- バナナ1房:a bunch of bananas
- ほうれん草1束:a bunch of spinach
- 食パン1斤:a loaf of bread
- カットピザ1つ:a slice of pizza
- コーラ1缶:a can of coke
- ポテトチップス1袋:a bag of crisps (potato chips)
- イチゴ1パック:a punnet/pack of strawberries
- ハサミ1つ:a pair of scissors
- サングラス1つ:a pair of sunglasses
- ニンニク1かけ:a clove of garlic
- アイスクリームのシングル:a scoop of ice cream
いかがでしたか?
“a bunch of 〜” はバナナやブドウなど房になっている果物の他に、ほうれん草やネギ・アスパラガスなどの「束」で売られている野菜にも使われます。なので「花束1つ」も “a bunch of flowers” で表します。
食パンは日本語でも1斤と1枚を区別するように、英語でも「1斤」は “a loaf” で「1枚」は “a slice” のように違う数え方になります。
また、先ほど「お箸」の数え方で登場した “a pair of 〜” は、ハサミやサングラス・メガネにも使われます。
「紙」の数え方は?
ちょっとした「紙とペンある?」なんて言う場合の「紙」は “a piece of paper” です。「紙切れ」というニュアンスですね。
「紙1枚」は “a paper” と言いそうになりますが、これは「新聞」という意味になってしまうので要注意です。
コピー用紙のような「紙1枚」を表す場合は “a sheet of paper” です。これが「紙10枚」なら “ten sheets of paper” という言い方になります。
他にも「えっ?そんな数え方するの?」というものもあるんです。例えば、
- a head of lettuce:レタス1個(1玉)
- a bar of soap:石けん1個
- a flock of sheep:羊の群れ
- a herd of cattle:牛の群れ
- a troop of monkeys:猿の群れ
- a pod of dolphins:イルカの群れ
- a school of sardines:イワシの群れ
“a head of 〜” はレタス以外にも、キャベツやブロッコリーも同じ数え方をします。
そして、“a flock of 〜” は羊以外にも、鳥の群れを表す時なんかにも使われる表現です。“a flock of birds”、“a flock of geese(ガチョウの群れ)” みたいな感じですね。
日常生活で使う、英語での「数え方」
最後に紹介したものは日常で頻繁には使わないかもしれませんが、それら以外の今回紹介したものは日常生活でよく耳にしたり、実際によく使ったりするので、ぜひ覚えて会話に役立ててみて下さいね!
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数え方・数にまつわる英語表現
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