今回は、とても馴染みのある単語 “do” の、あまり知られていない使い方のお話です。
突然ですが、
- That will do.
- This will do.
というフレーズを耳にしたことはありますか?日常生活でとてもよく出てくるこのフレーズ、どんな意味でどんなふうに使うのか、知っておいて損はないですよ!
「〜で間に合う、十分である」の “do”
“do” と言えば、助動詞で “Do you know 〜?” のように使ったり、動詞では “What are you doing?” のような「する」という意味、または “do the dishes、do the washing” のような「(家事を)する」にも使われますよね。
では、こんな意味があるのをご存知ですか?
to be acceptable, suitable, or enough
Cambridge Dictionary
「〜でいい、〜で間に合う、〜で十分である」という「(何かが)十分な役割を果たす」のニュアンスです。
でも、これだけではどう使うのかイマイチ分かりにくいかもしれないので、実際にどう使うのかを見てみましょう。
“〜 will do.” の使い方
この “do” は、“〜 will do.” という形でとてもよく使われます。
例えば、海外で身分証明書が必要な場合には、こんなふうに言われることがあります。
- Have you got any ID? Driver licence* or passport will do.
身分証明書を持っていますか?運転免許証かパスポートで大丈夫です(間に合います)
*イギリス英語では driving licence、アメリカ英語では driver’s license
他にも「どっちがいい?」と聞かれて「どっちでも大丈夫」と答える時にも使えます。
- Which would you like, sugar or honey? −Either will do.
「砂糖とはちみつどっちがいいですか?」「どっちでも大丈夫です」
“enough” という意味では、こんなふうにも使えます↓
- Can I have some ice in my drink? Just a bit will do.
ドリンクに氷を入れてもらえますか?ほんの少しで十分です
こんな感じで、十分な役割を果たすといったニュアンスで “do” が使われるんですね。

“That will do.” と “This will do.” の意味と使い方
そして、この “do” を使ったフレーズでよく耳にするのが、冒頭に出てきた、
That’ll (=That will) do.
This’ll (=This will) do.
です。これらは基本的に口語で使われます。例えば、こんな感じです↓
- Have you got any ID?
−I only have my passport.
−That’ll do.
それでいいですよ(間に合いますよ) - Do you have a torch?
−My phone has a flashlight. Here.
−Oh, thanks. This will do!
これで十分です(間に合います)
のような「それ/これでいいです(十分です、間に合います、結構です)」と言うシチュエーションで使えるのが、この “That’ll do.” や “This’ll do.” です。
こんな “That’ll do.” の使い方も
その他にも、“That’ll do.” は飲食店で注文する時の最後に使うこともあります。
- I’ll have … and 〜. That’ll do (for now).
…と〜をください。(とりあえず)それで結構です
みたいな感じです。
今回紹介したのは、“that、this、will、do” と、どれも基本的な単語ばかりを使ったシンプルな表現ですが、結構使い勝手がいいので、覚えておくと役に立つと思います。ぜひ覚えて使ってみてくださいね!
“do” にまつわる英語コラム
■“do the dishes” や “do the washing” など、日常生活でよく出てくる “do” を使った表現はこちら↓
■“do with 〜” も日常生活でとてもよく使われるフレーズです↓
■“I do like coffee.” のような「強調のdo」の使い方はこちら↓
■“How do you do?” ってどんな意味?
■“done” も使いこなせると便利です!
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