今回のコラムは、長い間会っていなかった人に会ったときの挨拶のお話です。
日本語では「久しぶり」と言いますよね。
では、英語では何と言えばいいのでしょうか?
“Long time no see.” ばかり使っていませんか?実は、もっとよく使われる別の「久しぶり」の英語表現があるんです。
“Long time no see.” はあまり使わない?
「久しぶり」の英語で、多くの人が一番最初に思い付くのは、
- Long time no see.
だと思います。私もそれしか知りませんでしたが、ニュージーランドに来てから「ネイティブは本当に “Long time no see.” を使うのか?」と疑問に思うようになりました。
それはなぜかと言うと、実際に “Long time no see.” と言われることがほとんど無いからなんです。
前の職場で働いていた時、ある役員とは普段ほとんど顔を合わせる機会がなく、会うときはいつも「久しぶり」という状態でしたが、その人の口から “Long time no see.” を聞いたことは一度もありませんでした。
また、常連のお客さんがしばらく来ない期間があって、その後に久しぶりに来たときにも “Long time no see.” ではなく、別の表現を耳にすることが多かったんです。
では、実際にネイティブはどんな表現を使っているのでしょうか?
よく使われる「久しぶり」の英語表現
「久しぶり!」という場面で私が耳にするのは、
- It’s been a while.
- It’s been a long time.
- It’s been such a long time.
が多いです。そして、ここで注目するのは現在完了形が使われていることです。
現在完了形と書くと難しそうな響きになってしまいますが、”It has been(=It’s been)” を使うことによって、長い間ずーっとというニュアンスが出るので、「久しぶり」のニュアンスにぴったりなんです。
“I haven’t seen you 〜” で表す「久しぶり」
上で紹介した以外に、
- I haven’t seen you in a while.
- I haven’t seen you in ages.
- I haven’t seen you for a long time.
などを使う人もいますが、これらは「あなたに長いこと会っていない=久しぶり」というニュアンスです。ここでも現在完了形が使われていますね。
「元気にしてた?」「どうしてたの?」で表す「久しぶり」
そして、日本語で「久しぶり!元気にしてた?」と言うような「元気にしてた?」にも現在完了形を使って、
- How have you been?
がしっくり来るんです。発音的には “how” と “have” がくっついて “How’ve you been?” のようになります。
現在形の “How are you?” は「元気?」と、今のことを聞いているのに対して、”How have you been?” は「元気にしてた?」と、それまでの期間が意識されていますね。さらに、
- What have you been up to?
も「最近どうしてたの?」という近況を尋ねるフレーズとして、とってもよく使われます。これも “what” と “have” がくっついて “What’ve” みたいな発音になります。
“Long time no see.” の文法
そもそも “Long time no see.” って、文法的にちょっと変だと思いませんか?
“Long time no see.” は、もともと中国の人たちが英語を話す貿易商との間で使っていた表現で、中国語で「久しぶり」を表す「好久不見」を英語に直訳した表現なんだそうです。
なので、英語の文法にあてはめると説明できないのですが、そのまま現在に至っています。
それが直接的な原因かは分かりませんが、英語で書かれたサイトで “Long time no see.” のことを調べてみると「コミカルに聞こえるのでフォーマルな場面では使わない」と書かれたものがいくつかありました。
ただ、親しい友達には問題なく使えるようなので、”Long time no see.” が正しい英語ではない、ということではなさそうです。
さらに、”Long time no see” から派生した表現に、
- Long time no speak.
- Long time no talk.
などがあります。
実際にニュージーランド人の友達がメールで “Hi! Long time no speak!” と送ってきた時はギョッとしましたが、他の友達も使っていたので、こんなカジュアルな表現があるというのは知っておいてもいいかもしれません。
「久しぶり」の表現は一つじゃない
日本語の「久しぶり!」は、それ以外の言い方をしなさいと言われるとなかなか思い浮かびませんが、英語には「久しぶり」を表せる表現がいくつかあります。
上でも紹介しましたが「本当に久しぶり!」と友達同士で言う時には “ages” がとてもよく使われます。
また「久しぶり」という日本語にとらわれずに、
- (It’s) Good to see you again!
- (It’s) So nice to see you again!
- (It’s) Great to see you again!
のように「また会えて嬉しい」と表現することも多いですよ。
まずは自分でしっくりくる言い方を一つ使ってみて、そこから一つずつ表現を増やしていくといいと思います。
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