今回はちょっとふわっとした話題です。
普段何気なく使っている物でも、いざ英語で言うとなると意外と難しいものってありませんか?
私はキッチン用品を買う時に「あれ?これって英語でなんて言うんだろう?」と思ったものがいくつもありました。
今回はその中から、実は名前がたくさんある「ざる」の英語表現をお届けしたいと思います!
“strainer” で表す「ザル」
「ザル」を表す単語で一番よく使われているのは “strainer” だと思います。
“strainer” とは【strain(漉す)+er】なので「漉すもの、漉すための道具」という意味ですね。英英辞書ではこんなふうに定義されています↓
a kitchen tool with lots of small holes in it, that is used for separating solids from liquids
(ロングマン現代英英辞典)
固形物と液体を分ける時に使われる、小さな穴が空いている台所用具ですね。
「ザル」と言えば、こんなものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
こんな「ザル」は “strainer” と呼ばれます。
他には、飲食店のキッチンでは、逆三角錐みたいな形のものに持ち手がついた、こんな “strainer” もよく使われています(銀色のもの)↓
また、日本語ではあまり「ざる」とは言わないものも、
- tea strainer:茶漉し
- sink strainer:シンクの排水口のゴミ受け
のように言ったり、カゴ型のものは “strainer basket” などと呼ばれます。
“colander” で表す「ザル」
「ザル」の中でも、”colander” と呼ばれるものがあります。
これは、野菜や果物の水切りやパスタなどの湯切りなどをする時によく使われるもので、うちの “colander” はこんなものです↓
これも英英辞典で定義を見てみると、
a metal or plastic bowl with a lot of small holes in the bottom and sides, used to separate liquid from food
(ロングマン現代英英辞典)
と書いてあります。簡単に言うとボウルタイプの「水切り」ですね。
金属のものもプラスチックのものもありますが、穴が空いたボウルという感じで、ちょっとした脚がついていて、自立するタイプのものが多い印象です。
“sieve” で表す「ザル」
“sieve” という単語を耳にしたことはありますか?
私はニュージーランドに来て初めて知った単語なのですが、これも「ざる」を表す時に使われる単語です。
これも英英辞典で定義を見てみると、こう書いてあります↓
a round wire kitchen tool with a lot of small holes, used for separating solid food from liquid or small pieces of food from large pieces
(ロングマン現代英英辞典)
“strainer” とよく似ていますよね。
では “sieve” と “strainer” の違いって何なのでしょうか?
大きな違いは、定義の最後の部分です。small pieces と large pieces を分離する、と書いてありますよね。
つまり、何かを「ふるう」時に使われる「ふるい」が “sieve” なんです(「ふるいにかける」という動詞の意味もあります)。
典型的な “sieve” はこんなものです↓
ただ、こんな形のものだけでなく、1枚目の写真のようなメッシュの「ザル」も “sieve” と呼ばれます。メッシュの「ザル」は小麦粉などを「ふるう」時にも使いますよね。
つまり、1枚目の写真の「ザル」は “strainer” と呼ばれることもあれば “sieve” と呼ばれることもあるので、どちらかだけが正しいということはありません。
ちなみに、”have a memory like a sieve” で「とても忘れっぽい」「覚えてもすぐに忘れる」を表します。「ふるい(ざる)のような記憶力を持っている」ってちょっと面白い表現ですよね。
「ふるい」は “sifter” とも
「ふるい」は “sieve” 以外に、”sifter” と呼ばれることもあります。
“sift” とは「(小麦粉を)ふるう」という意味の動詞で、それに “-er” が付いたのが “sifter” です。
小麦粉をふるう時に使う、底がメッシュになっているステンレス製のマグカップみたいな形のふるい器を “(flour) sifter” と呼びます↓
ただ、時には1枚目の写真のようなメッシュの「ザル」を “sifter” と言うことも。
これも繰り返しになりますが、小麦粉をふるう時に使われるからですね。
「ざる」は英語でいろんな表現がある
今回は「ザル」のいろんな表現を紹介しましたが、どうしても覚えられないという方は、まずは “strainer” と “colander” を覚えておくといいと思います。
ちなみに「ザルで水を切る」は英語で “drain 〜 in a colander/strainer/sieve” のように言います。例えばレシピに、
- Drain the rice in a sieve
と書いてあったら「目の細かいザルにあけて水を切る」ということですね。”colander” は穴が大きいものが多いので、特に日本のお米のような粒が小さいものには向きません(笑)
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