「悔しい」を英語で言いたい、と思ったことはありませんか?
もしくは、言いたかったけど英語でどう表現すればいいのか分からなかった…という方もいるかもしれませんね。
そうなんです。「悔しい」を英語で表現するのって、本当に難しいんです。
そこで今回は、私が最近ちょっと立て続けに耳にした「悔しい」の表現を中心に紹介したいと思います!
「悔しい」ってどんな意味?
英語にしにくいなぁと感じる日本語に出会ったら、まずはその言葉を他の日本語に置き換えてみることをおすすめします。そうすると、意外にすんなり英語で言えてしまうことも多いんです。
では「くやしい」を他の日本語で説明するとしたらどうなるでしょうか?手元にあった大辞泉によると「くやしい」とは、
物事が思うとおりにならなかったり、はずかしめを受けたりして、あきらめがつかず、腹立たしい気持ちだ。残念でたまらない。
と書かれてあります。…英語にするのが難しいのも納得ですよね。けっこう複雑です。
こういった幾つかの意味が合わさったような日本語は1つの英単語でピッタリ表せないことも多いので、場面によって違う単語を使う必要があります。
こういうシチュエーションに出くわすと、単語を日本語訳だけで丸暗記するのってあんまり意味がないなぁと感じます。その単語が持つニュアンスやイメージを理解しておかないと、自分で使えるボキャブラリーにはなりません。
腹立たしく、イライラする「悔しい」”frustrated”
さて、話を「悔しい」に戻しましょう。私が最近耳にした「くやしい」の英語は、こんな場面で使われていました。
友人と話していた時、その友人が「うちの子はブロックやおもちゃで遊んでいて、思い通りにできなくて悔しいと、すごくキーキー言うの」と言っていたんです。
この「悔しい」は、上の定義の中でも特に「物事が思う通りにならなくて腹立たしい、もどかしい」の意味ですよね。
そこで友人が使っていた単語は、
frustrated
でした。”when she is frustrated” と言っていたんです。
日本語でも「フラストレーション」という言葉を耳にしますが、英語の “frustrated” とは、
feeling annoyed and impatient because you cannot do or achieve what you want
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
という意味です。やりたいことができなかったり達成できなくてイライラしたり、腹立たしさを感じたり、ということですね。
友人が言っていた、子供が思い通りにならなくて「キーッ」となる「悔しい」は、まさに “be frustrated” といった感じです。
「悔しい」シチュエーションを表す “frustrating”
他にも、たまたまテレビで耳にした表現が、
frustrating
でした。主語が人なら “be frustrated”、物事・シチュエーションが主語に来ると “be frustrating” という使い方ですね。”excited/exciting” と同じパターンです。
私が見ていたテレビは、ハイレベルなアマチュアが参加する勝ち抜き料理番組で、制限時間内に決められた食材を使って各参加者がオリジナルの一品を作るという場面でした。
制限時間が来て料理を終えたものの、自分の力を発揮できずに失敗してしまって、とても悔しがっている参加者がいました。そこで、その人に審査員がかけた言葉が、
- It’s so frustrating, isn’t it?
だったんです。思い通りにいかず、もどかしかったり腹立たしくて「悔しい」シチュエーションを “frustrating” で表現しているんですね。
このシチュエーションでは「悔しい」がしっくりきますが、”It’s (so) frustrating” は物事が思い通りにいかないときの、単に「イライラする!」を表す場合に使われることも多いです。
“How frustrating!” なんかも耳にしますよ。
自分に腹が立つ「悔しい」angry/mad/upset
その他には、何か失敗をしてしまった時の自分への腹立たしさ・怒りという「悔しい!」なら、
- angry
- mad
- upset
などがしっくりくる場合もあるかもしれません。自分自身に怒っているというニュアンスですね。
- I got scammed! I’m really angry at myself for it.
詐欺に引っかかって本当に悔しいです - I’m so mad at myself for making such a stupid mistake.
こんなバカなミスをしてものすごく悔しいです - I’m upset that we lost.
(自分のチームが)負けて悔しいです
自分にガッカリする「悔しい」disappointed
また、イラつくというよりは自分の不甲斐なさにがっかりするような「悔しい」には、
disappointed
がしっくりくることもあると思います。
- I’m disappointed that we lost the game.
試合に負けて悔しい(がっかりだ) - I’m frustrated and disappointed in myself that I couldn’t save her.
彼女を助けることができなくて悔しいです(自分にがっかりしています)
「悔しい」シチュエーションで言うフレーズ
スポーツを観戦していて、応援している人やチームが負けてしまって「悔しい!」みたいな時には、「ちくしょー!」「クソッ!」みたいなフレーズもよく使われます。
- Bugger!
- Darn it!
- Screw it!
- That sucks!
どれもあまり上品ではないですが、ついつい「くそっ」「ちくしょー」と言ってしまうような「悔しい」シチュエーションで耳にしますよ。
すべての「悔しい」には当てはまらない
今回紹介した “frustrated” や “frustrating” は、どちらも腹立たしかったり、もどかしくてイライラするといったニュアンスが含まれています。また、”mad/angry/upset” には怒り、そして “disappointed” にはがっかり感といったような感情が入っています。
なので、日本語の「悔しい」に毎回毎回ピッタリ当てはまるかといえば、そうでもないと思います。
「悔しい」の英語表現は1つではないので、その時の自分の感情と照らし合わせて、どれがピッタリか考えてみてくださいね。
例文にもあった “frustrated and disappointed” ように2つ以上の感情を表す表現を組み合わせたり、他の文を付け加えて補ってもいいと思います。
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