以前、海外のELITE DAILYというウェブサイトに掲載されたServers Not Servants: 31 Things Your Waiter Wishes You Knewという記事が話題になりました。
内容は、ウェイター(ウェイトレス)がレストランに食べにくるお客さんに知っていて欲しいこと31個をリストにしたものでした。
少しだけ具体的に挙げてみると、
- ウェイトレスはserver(サーブする人)だけどservant(召使い)ではない
- あれをこれに変えてと無理難題を言わないで
- 他のテーブルの接客をしている時は邪魔をしないで
など、簡単に言ってしまえばお客さんへのリクエストみたいなものです。
全部が全部うなずけるものではないかもしれませんが、個人的にはニュージーランドに来てから日本のレストラン・飲食店との違いを感じることが多いので、とても興味深い内容でした。
今回は、その違いや最低限知っておきたいマナーなどを紹介したいと思います。
日本と海外のレストランの違い
私がニュージーランドや他の国のレストランで食事をしたり、レストランで実際に働いた経験から「日本とは違うな」と思ったことがいくつかあります。
そんな「日本との違い」を大きく5つにまとめてみました。
違い①店に入ったら挨拶され、挨拶を返す
もちろん日本でも、入店すると店員さんは「いらっしゃいませ」や「ようこそ」と声をかけてきますよね。
では「いらっしゃいませ」と言われたら、皆さんは何て答えますか?「いらっしゃいました」とは言わないですよね。
そうなんです。「いらっしゃいませ」に返す決まった言葉はないんです。店員さんも特に返事は期待していません。
ニュージーランドでも店に入ったら、店員さんが近づいてきて、
- Hi, how are you today?
などと、声をかけてきます。ただ、ここからが日本との違いです。
“How are you?” と聞かれたら、必ず返事をしなくてはいけません。
- I’m good, thanks.
- Not too bad.
- Good.
など、何でもいいので簡単に答えましょう。「元気ですか?」と聞いているのにスルーされると、誰でもいい気はしませんよね。私がレストランで働いていたときには、
- I’m pretty good. How about you?
- Not too bad, thanks. Yourself?
などと聞き返してくれるお客さんも多かったです。忙しくて疲れている時でも、その何気ない一言で元気になれて嬉しかったので、私は自分でもできるだけ使うようにしています。
違い②お水をもらう、注文する
日本では席に座ると何も言わなくてもお水が出てきますよね。
ニュージーランドのカフェやレストランでも自動的にお水が出てくるところもありますが、”Would you like some water?” と聞かれることもあります。
無料の普通の水でよければ、
- Can we/I have some tap water, please?
と言えば、普通の飲み水を持ってきてくれます。”tap water” とは「水道水」という意味です。それ以外の水の種類は、
- still water, a bottle of water:ボトル入り有料の水
- sparkling water:ガス入り有料の水
が出てきます。
ポイントは、普通の「ガス無しの水」のつもりで “still water” と言うと、ボトル入りの有料のお水と誤解される可能性があるということです。なので、無料の水でいい場合は “tap water” と伝えましょう*。
*あくまでもニュージーランドの場合です。他の国では事情が違うかもしれません。
違い③店員さんに用があるときの呼び方
これは、冒頭で紹介したウェブサイトにも “Do not snap your fingers, touch your server or whistle when you want something(店員を呼ぶ時に指を鳴らしたり、身体に触ったり、口笛で合図したりしないで)” という項目で載っていました。
さすがに口笛でサーバー(ウェイトレス、ウェイター)を呼ぶ人はいないかもしれませんが、日本では居酒屋やカフェなどで、大きな声で「すみませーん」と店員さんを呼ぶことがありますが、これは海外ではマナー違反とされていることが多いです。
店員さんに用がある時は、
- アイコンタクト
- 目が合ったら小さく手で合図する
- 近くに来た時に “Excuse me.” と声をかける
ようにするといいです。いいレストランの店員さんほど、アイコンタクトと小さな合図だけで分かってくれます。
違い④お料理の確認に来る
注文した料理が出されて食べ始めたら、ウェイトレスさんがテーブルにやって来て、
- How’s your meal?
- Is everything OK?
などと声をかけてきます。カフェやカジュアルな店ではあまり聞かれませんが、ちゃんとしたレストランなら必ず声をかけに来ます。
「塩が欲しい」や「ステーキをもっと焼いて欲しい」など、不満・リクエストがないか、料理に満足しているかを確認するためのものです。
日本ではお客さんが食事を始めたらそっとしておくのが普通なので、最初は戸惑いますが、きちんとしたサービスの証です。
たいていの場合は何もないことが多いと思うので「美味しいよ」と伝えればOKです。
違い⑤空いたお皿を下げるのが早い
海外のレストランで、食べ終わった料理のお皿を下げるのが早い!と感じたことはありませんか?
これは店にもよりますが「空いたお皿はできるだけ早く下げる」という考え方があります。それがちゃんとしたサービスだと考えられているんですね。
なので、食べ終わるのを待っていたかのように、お皿が空いた瞬間にサッと下げに来たり、まだ少し残っているお皿でも話に夢中になって手が止まっていると、
- May/Can I take your plate(s)?
お皿をお下げしてよろしいですか? - Are you finished/done?
(お食事は)お済みですか? - Are you still working on that?
- Are you still going?
まだ食べてますか?
と、とにかくサッとお皿を下げられてしまうこともあります(「まだ食べてます!」の英語表現は以下のコラムで)。
日本の感覚だと食べ終わったお皿がテーブルの上にあってもそれほど失礼とは思わなかったり、下げられるのが早すぎると急かされているようで嫌だと感じる人もいると思いますが、海外のレストランはちょっと事情が違うことを知っておくといいかもしれません。
郷に入れば郷に従え
海外のレストランでマナーが分からなくても必要以上にビクビクすることはないですが、ウェイトレス・ウェイターを大声で呼ばないなど、最低限のマナーは守りたいですね。
また、料理が出てくるまでに時間がかかって、日本では「お待たせして大変申し訳ございません」と言うような場面でも “Thank you for waiting.” と言われることも多いです。
日本の常識では「そこは “sorry” でしょ!」と思っても仕方ありません。日本の常識が海外では通じないことなんてたくさんあります。イライラしてもしょうがないので、それも旅の経験として楽しんでしまいましょう!
レストランで役立つ表現はこちら!
海外でレストランに行く時に知っておきたい英語表現は、以下のコラムでも紹介しているので、あわせてご覧ください!