ニュージーランド英語の特徴とは。発音・訛り(アクセント)・スラングまとめ!

日本では「英語=アメリカ英語」みたいなところがあるように感じますが、英語には他にもイギリス英語やオーストラリア英語など様々なバリエーションがあります。

その中の一つ、ニュージーランド英語。

アメリカ英語とは違う点も多く、北米英語圏の人がニュージーランドに来て英語に苦戦する、という話も多々耳にします。

私も住み始めた当初はとても苦労した、ニュージーランドの英語について、その特徴をまとめてみました!留学・ワーホリ・移住などを考えている方のお役に立てれば嬉しいです。

目次

ニュージーランド英語の特徴

ニュージーランドの英語ってどんなイメージがありますか?
訛っている」というイメージが強いかもしれませんね。

それはそのとおりで、アメリカ英語に慣れた耳には同じ英語とは思えないぐらいの、とても強いアクセントがあるように聞こえます。

ひとくちにニュージーランド英語と言っても、もちろん人や地域によって差はありますが、私が思うニュージーランド英語の特徴は大きく分けて6つ、

  1. モゴモゴしゃべる
  2. 早口、イントネーション
  3. イギリス英語の影響
  4. 母音の発音
  5. 独自のスラング
  6. マオリ語の影響

だと思います。ニュージーランド英語とはどんなものなのか、今回はこの6つのポイントから紹介したいと思います!

ニュージーランド英語の特徴①モゴモゴ、ボソボソしゃべる

ニュージーランド英語は慣れないと聞き取るのが本当に大変です(後ほど、ニュージーランド英語の動画を紹介します)。

私はニュージーランドに住み始めてから、周りの人が何を言っているのか理解するまでにものすごく時間がかかりました。その理由は、

  • 口の動きが少ない
  • 声を張らずにモゴモゴ話す

のがニュージーランド英語の特徴だからです。アメリカ英語のように声を張ってハッキリ話すのではなく、あまり抑揚もなく、口を大きく動かさずに静かにモゴモゴ話す人が多いです。

ニュージーランド人自身、自分たちの話し方を “We mumble.” と説明するのをよく耳にします。“mumble” が「モゴモゴと話す」という意味です。

ニュージーランド英語の特徴②早口、イントネーション

ニュージーランド人は早口です。独特のアクセントがある上に早口なので、英語学習者としては泣きそうになります。

話し始めは普通のスピードでも、話が続いていくと畳み掛けるように話す人も多いので、うかうかしてられません。

イントネーションはちょっと上手く言えないのですが、アメリカ英語のようにあまり上下せずに、わりと平坦です。強弱はあるけど、あまり上下しない感じです。

そして、語尾・文末のイントネーションが上がる傾向があるので(uptalk と言います)、疑問文ではないのに疑問文っぽく聞こえるのも大きな特徴です。

↓ ニュージーランド人YouTuber『How to DAD』。語尾のイントネーションが上がるKiwi(ニュージーランド)アクセントバリバリの話し方です。

↓ 下の動画の青年はKiwiアクセント&早口すぎますが、こんなふうに話すニュージーランド人もたくさんいます。キャスターもかなりのニュージーランドアクセントです。

ニュージーランド英語の特徴③イギリス英語の影響

ニュージーランドは国旗にユニオンジャックが入っていることからも分かるように、イギリス英語がベースになっています。

なので、使う単語やスペリング・言い回しはイギリス英語にとてもよく似ています。

  • イギリス英語で使われている単語を使う:lift、mobile、billqueuepetrol、bin、mum、flat、city centre、nappy、lovely
  • -ter を -tre と書く:centre、theatre、metre、litre
  • -or を -our と書く:colour、neighbour、favourite、harbour
  • -ize を -ise と書くrealise、organise、apologise
  • -ll-(エル)が2つになる:travelling、cancelled、counsellor
  • 文法、表現、言い回し現在完了形付加疑問文をよく使う。日付の書き方建物の階数の数え方もイギリス式と同じ

ニュージーランド英語の発音はイギリス英語がベースなので、アメリカ英語とは全く違って語末の “r” も巻かないし、“water” の “t” もわりとしっかり “t” の発音をします。

かと言って、アメリカ英語が通じないということではありません。ただ、中途半端にアメリカ英語風に言ってしまうと、“Pardon?” と言われがちです。

ニュージーランド英語の特徴④母音の発音、訛り

ニュージーランド英語(アクセント)の最大の特徴はなんと言っても、母音の発音です。
この母音の特徴的な発音のせいで「ニュージーランド英語は訛っている」という印象を与えています。

オーストラリア英語では “today” が「トゥダイ」になるというのは有名な話ですが、ニュージーランド英語では母音がこんなふうに変化します。

  • a → e(/æ/ → /e/)
  • e → i
  • i → u(/ɪ/ → /ʌ/)
  • o, u はそのまま
  • ur, er, or, ir, ear(/ɜː/)が独特

特に、/e/ が /i/ に聞こえる現象がニュージーランドアクセントの大きな特徴なように思います。

敢えてカタカナで書くと、“egg” が「イーッグ」、“Yes” が「イィス」、“pen” が「ピィン」、“ten” が「ティン」、“friend” が「フリィンd」、“very” が「ヴィリィ」、そして “get” は「ギッt」、“best” が「ビィスt」、“head” も「ヒーッd」など、聞いているととにかく /i/ の音が耳につきます。

また、/i/ が /ʌ/ のように発音されるので “six” が「サックス」みたいに聞こえたり、“fish and chips” が「フッシュンチャップス(fush and chups)」みたいに聞こえたりします。

そして、/e/ が /i/ みたいに発音されるのと同じぐらいニュージーランド英語に特徴的なのは /ɜː/ の母音です。例えば、“turn”、“term”、“work”、“word”、“first”、“bird”、“learn”、“heard” などに含まれる音ですが、これらがアメリカ英語ともイギリス英語とも違う独特な音になります。

具体的に言うと、舌の位置が高く、口の前の方で発音されます。百聞は一見にしかず。下のインスタグラムは元首相のJacinda Ardernさんが話しているところですが、“expert” や “first”、“word”、“learn” に注目して聞いてみてください↓

また、会話の中にとてもよく出てくる単語の “that” が、ものすごくニュージーランド独特の特徴があると思います。アメリカ英語ともイギリス英語とも違って、粘っこい「ゼェッ」「デェッ」みたいな感じです。

他には、アルファベットの “A” の発音が「エイ」ではなく「アイ」みたいになるので、電話で名前や単語のスペリングを聞き取らないといけない時に “A” なのか “I” なのかめちゃくちゃ混乱します…。

また、“but” の “t” が消えて「バ」と発音する人がとっても多いです。

ニュージーランド英語の特徴⑤独自のスラング

ニュージーランドには他の英語圏の国では通じないスラングや単語がたくさんあります。

  • Sweet as:cool、OK、awesome
  • 〜, eh/aye?:付加疑問「〜だよね」の意味
  • Yeah nah:そうだね、でもやっぱりNoかなぁ…的な “No” の表現方法
  • She’ll be right:It will be OK
  • all good:全然問題ないよ
  • Chur:thanks、hi、cool、cheers
  • Ta:thanks
  • Kiwi:ニュージーランド人 ※キウイフルーツの意味ではない
  • mean:awesome、cool
  • munted:broken、ruined、drunk
  • sus:suspicious
  • bro:mate、man、dude
  • bach:ホリデーハウス
  • dairy:小さいコンビニ的な店
  • jandals:ビーチサンダル
  • togs:水着
  • chilly bin:クーラーボックス
  • gumboots:ゴム長靴
  • the wops/wop-wops:周りに何もないド田舎
  • uni:university
  • Macca’s:マクドナルド

オーストラリアと同じものもありますが、ニュージーランド独特なものも多く、他にもまだまだあります。上にも出てきた『How to DAD』の別の動画でもたくさんニュージーランドのスラングが紹介されています↓

NZ英語の特徴⑥マオリ語の影響

ニュージーランドの先住民マオリ族のマオリ語は、ニュージーランドの3つの公用語のうちの1つです(他は英語とニュージーランド手話)。

生活の中で普通に使われているものもあり、食べ物の名前の中には英語ではなくマオリ語の方がよく使われているものもあります。

  • Kia ora:Hi, Hello
  • Aotearoa:ニュージーランド
  • whanau:family
  • kumara:さつまいも
  • pāua:あわび
  • kina:うに

マオリ語のアクセントも独特なので、マオリの人たちが話す英語もまた違ったアクセントが入ってきます。

他にも、サモアやクック諸島といったパシフィックアイランダー系の人たちが話す英語にも独特のアクセントがあって、個人的にはとても聞き取りが難しいです…。

ニュージーランド英語とは?

ニュージーランドにはヨーロッパ系の人やアジア・南アフリカ・ラテンアメリカ系の人も多く、それぞれが様々な英語を話しますが、長く住んでいる人はバリバリのキウィアクセントになっている人もいます。

また、テレビではイギリス・アメリカ・オーストラリアの番組が放送されているので、ニュージーランド人は色んなアクセントを聞き分けるのも上手で、あまり違いのなさそうなニュージーランド英語とオーストラリア英語でも、ニュージーランド人に言わせると「別物」だそうです。

ニュージーランドを旅行したり、ニュージーランドで生活しない限り「ニュージーランド英語」を身近に感じることはないと思いますが、どこの英語の訛りがいい・悪いではなく、世界には本当に色んな英語があって、その一つとして「こんな英語もあるんだな」と知ってもらえたら嬉しいです。

■ニュージーランド英語が訛りすぎていて聞き取れない!という方のために、ニュージーランド英語の勉強法をこちらで紹介しています↓

ニュージーランド英語をもっと詳しく知りたい方に

■Kiwiアクセントの母音はこちらで詳しく紹介しています↓

■ニュージーランドスラングをもっと知りたい方はこちらからどうぞ↓

■イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いはこちら↓

■イギリス英語とアメリカ英語のスペリングの違い・使う単語の違いはこちら↓

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